仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第22回資本金-
投稿日:2017年9月23日 更新日:
簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。そして、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学でできるように最後まで説明していく22回目です。勘定科目と借方、貸方の仕訳と5つのグループ、勘定科目一覧もイメージできるようにしましょう。前回は、租税公課についてでしたが、今回は、資本金についてです。資格試験を受ける場合には、これをベースに問題集を使い、慣れてください。また、経理チームや会計管理をする方々や業務に関係がなくても損益計算書や貸借対照表のような財務諸表を見ていくためにビジネスマンは知っておきたい内容です。
資本金とは
資本金とは
出資者が会社に払い込んだ金額(払込資本)を基礎として設定される一定の額。会計および会社法における用語。
出典:Wikipedia
会社やお店の開業などする際に、会社を応援する人(株主)から会社の運営に使って、儲けが出たら配当をくださいねと出資してもらったり、開業するお店のために、自分の現金や貯金を出資するお金のことです。
それら資金のことを“資本金(元手)”、そして出資することを“元入れ”といいます。
< 勘定科目 >
- 資本金(資本、純資産):会社の設立やお店の開業のために出資されたお金、元入れされたお金
資本金の仕訳
元入れしたときの仕訳
元入れとは元手にすること。つまりは、資本金のことです。
現金(資産)500,000円が増加 = 借方
資本金(資本、純資産)500,000円の発生 = 貸方
Aさんの個人用のお金をお店用のお金に移したとイメージしてください。
お店のお金を私用で使ったときの仕訳
厳密に言えば、自分のお金をお店の資本金としたときは、すでに自分の個人的お金ではありません。しかし、自由に使うことはできますので、仕訳はきちんとしておかなくてはなりません。
お店の開業者が、お店の現金や商品を私用に使うことは問題ありません。それを資本の引き出しといい、資本金の勘定科目を使って仕訳します。
現金(資産)50,000円の減少 = 貸方
資本金(資本、純資産)50,000円の減少 = 借方
また、頻繁に資本を引き出す場合は、引出金という勘定科目を使います。資本金と引出金のどちらを使うかは、問題文の指示に従ってください。引出金は、資本金のマイナスする勘定科目です。
< 勘定科目 >
- 引出金(資本のマイナス):頻繁に資本金を引き出すときに使用
仕訳の仕方は、変わりません。
現金(資産)50,000円の減少 = 貸方
引出金(資本金のマイナス)50,000円の減少 = 借方
これらは、商品を引き出した場合も変わりません。ただし、現金が仕入勘定に変わります。仕入を引き出すというイメージです。商品50,000円を引き出したとします。
資本金(資本)、引出金50,000円の減少 = 借方
仕入(費用)50,000円の減少 = 貸方
私用で引き出したお店のお金を返したときの仕訳
10,000円はまだ引き出したままです。先ほどの仕訳を金額分、元の資本金に戻す仕訳になります。
現金(資産)40,000円の増加 = 借方
資本金(資本、純資産)、引出金40,000円の増加 = 貸方
商品40,000円でもやり方は同じです。
決算日の仕訳
もし、”引出金”勘定で仕訳を行なっていた場合には、決算日に”資本金”勘定へ振替が必要になります。普段から”資本金”勘定で仕訳が行われていた場合は、何もしなくて良いです。
先ほどの例で、10,000円が引き出されたまま(借方)なので、これが”引出金”勘定で仕訳されていたとします。
仕訳としては、引出金が借方に残っているので、それを減少させ、逆の仕訳が資本金になります。
引出金10,000円の取り消し = 貸方
資本金(資本、純資産)10,000円へ振替 = 借方
これにより、資本金勘定から10,000円引き出されていることが帳簿上残ります。
まとめ
資本金と引出金、資本金のイメージが借方にならないように気をつけてください。貸方です。
勘定科目一覧
資本(純資産)グループ
- 資本金
資本のマイナスグループ
- 引出金
基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-
第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-
第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-
第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-
第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-
第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-
第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-
第7回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第7回手形裏書値引-
第8回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第8回貸付借入-
第9回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第9回有価証券(株式)-
第10回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第10回有価証券(公社債)-
第11回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第11回未払未収金-
第12回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第12回払受金-
第13回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第13回立替金-
第14回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第14回給料-
第15回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第15回商品券-
第16回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第16回消耗品-
第17回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第17回貸倒引当金-
第18回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第18回固定資産-
第19回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第19回減価償却-
第20回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第20回売却-
第21回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第21回租税公課-
第23回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第23回繰延べ-
第24回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第24回見越し-
第25回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第25回訂正-
第26回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第26回帳簿-
第27回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第27回補助簿-
第28回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第28回小口現金出納帳-
第29回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第29回仕入買掛帳帳-
第30回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第30回売上売掛帳-
第31回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第31回手形帳-
第32回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第32回商品有高帳-
第33回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第33回試算表概要-
第34回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第34回試算表-
第35回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第35回伝票制-
第36回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第36回決算整理-
第37回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第37回締切帳簿-
第38回:まとめ簿記3級勘定科目一覧
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