仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第31回手形帳-
投稿日:2017年9月26日 更新日:
簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。そして、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学でできるように最後まで説明していく31回目です。2016年より為替手形は消滅しましたので、その部分は飛ばして良いです。前回は、売上帳と売掛金元帳についてでしたが、今回は、受取手形記入帳、支払手形記入帳についてです。仕訳帳と総勘定元帳は主要簿と呼ばれ、必ず作成しなくてはなりません。総勘定元帳と仕訳帳が基礎ですが、取引が多い場合には、別途帳簿を作ることができます。これらを補助簿と呼びます。帳簿記入の方法や見方がメインとなるので、仕訳自体が少なくなります。資格試験を受ける場合には、問題集とうまくバランスをとって、学んでいってください。
受取手形記入帳
受取手形記入帳とは、受取手形、為替手形の増減に関する取引詳細を記帳する補助簿です。
- 日付
- 手形の種類:約束手形(約手)か為替手形(為手)かが略して記入
- 手形番号:手形に書かれている番号
- 摘要:仕訳相手の勘定科目
- 支払人:手形(代金)を支払う人
- 振出人:振り出した人
- 振出日:手形を振り出した日時
- 満期日:支払期日。支払期日を迎えれば(期限の到来)、その金額を受け取れます。手形の割引を受けるのは、これ以前に換金した場合
- 支払場所:受取場所
- 手形金額:取引金額
- 顛末(てんまつ):手形が最後どうなったかを日付と内容(摘要)に記入
顛末(てんまつ)は、なかなか聞き慣れない言葉です。単純に最終的にどうなったの?ということです。ここでは、約束手形は、入金されましたし、為替手形は、満期日前に割り引いて換金したを示しています。
取引と仕訳をイメージしましょう。
9/3 A店は、商品1,000円を売り上げ、代金は同店振出(A店振出)の約束手形(満期日11/2、支払場所X銀行)で受け取った。
(借方)受取手形1,000 (貸方)売上1,000
11/2 A店は、売掛金2,100円について、同店振出(A店振出)、C雑貨宛ての為替手形(満期日1/3、支払場所Y銀行)を受け取った。
(借方)受取手形2,100 (貸方)売掛金2,100
<Point>
あなたは、A店に売掛金がある指図人(受取人)です。A店はC雑貨に売掛金があり、
A店:A店に支払う代金(売掛金)を”あなた”に支払って!
と為替手形を振り出して、C雑貨がそれを引き受けて、あなたに支払うという流れです。
11/2 No.21の約束手形が決済され当座預金に入金された(顛末欄の仕訳)
(借方)当座預金1,000 (貸方)受取手形1,000
12/8 No.34の為替手形を銀行で割引き、割引手数料100円を差し引いて、残金は当座預金とした(顛末の仕訳)
(借方)当座預金2,000 (貸方)受取手形1,000
手形売却損100
以上となります。ここでの”私”は記入している人で、振出人でも支払人でもありません。
これがわかるかどうかがポイントです。もし、不安があれば、受取手形、為替手形を復習しましょう。
支払手形記入帳
支払手形記入帳とは、受取手形、為替手形の増減に関する取引詳細を記帳する補助簿です。
- 日付
- 手形の種類:約束手形(約手)か為替手形(為手)かが略して記入
- 手形番号:手形に書かれている番号
- 摘要:仕訳相手の勘定科目
- 受取人:手形(代金)を受け取る人
- 振出人:振り出した人
- 振出日:手形を振り出した日時
- 満期日:支払期日。支払期日を迎えれば(期限の到来)、その金額を受け取れます。手形の割引を受けるのは、これ以前に換金した場合
- 支払場所:受取場所
- 手形金額:取引金額
- 顛末(てんまつ):手形が最後どうなったかを日付と内容(摘要)に記入
取引と仕訳を見ていきます。
5/2 買掛金600円のあるD商事から同店振出、Eコミュを受取人とする為替手形(満期日9/21、支払場所Z銀行)の引き受けを求められ、それを引き受けた。
(借方)買掛金600 (貸方)支払手形600
7/1 No.44の為替手形が決済され、当座預金から支払われた(顛末欄の仕訳)
(借方)支払手形900 (貸方)当座預金900
まとめ
約束手形に関しては、スムーズに処理できるのではないでしょうか。ただ、為替手形で躓くとドツボにハマります。考えすぎず、振出人、名宛人、指図人(受取人)の基本をイメージして、あなたがどの位置にいるのかを捉えます。
勘定科目一覧
今回はなし
基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-
第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-
第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-
第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-
第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-
第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-
第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-
第7回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第7回手形裏書値引-
第8回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第8回貸付借入-
第9回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第9回有価証券(株式)-
第10回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第10回有価証券(公社債)-
第11回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第11回未払未収金-
第12回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第12回払受金-
第13回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第13回立替金-
第14回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第14回給料-
第15回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第15回商品券-
第16回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第16回消耗品-
第17回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第17回貸倒引当金-
第18回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第18回固定資産-
第19回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第19回減価償却-
第20回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第20回売却-
第21回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第21回租税公課-
第22回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第22回資本金-
第23回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第23回繰延べ-
第24回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第24回見越し-
第25回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第25回訂正-
第26回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第26回帳簿-
第27回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第27回補助簿-
第28回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第28回小口現金出納帳-
第29回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第29回仕入買掛帳帳-
第30回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第30回売上売掛帳-
第32回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第32回商品有高帳-
第33回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第33回試算表概要-
第34回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第34回試算表-
第35回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第35回伝票制-
第36回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第36回決算整理-
第37回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第37回締切帳簿-
第38回:まとめ簿記3級勘定科目一覧
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