仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第13回立替金-

投稿日:2017年9月21日 更新日:

簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。そして、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学で。を最後まで説明していく13回目です。勘定科目と借方、貸方の仕訳と5つのグループ、勘定科目一覧もイメージできるようにしましょう。前回は、前払金、前受金、仮払金、仮受金についてでしたが、今回は、立替金についてです。仕訳ルールを覚え、資格試験を受けるのであれば、これをベースに問題や仕訳数をこなしていきましょう。全く知識がない、資格はなくても、経理チームや会計管理をする方々や業務に関係がなくても損益計算書や貸借対照表のような財務諸表を見ていくためにビジネスマンは知っておきたい基礎知識です。

立替金とは

立て替えておくね。と言ったり言われたりすることがあります。イメージはそれで良いです。

よく仮払金と混乱しがちですが、簡単な例ですが、次をみるとわかります。

「〜買ってきて!はい、1000円」

「わかったー」

これ、仮払金です。どのくらいかわからないけど、一旦、概算でお金を渡して、内容が確定してから、差額のお釣りを返したりしますよね。

内容が確定してから、本来の勘定科目に振替えます。

では、次です。

「〜の350円のやつ買ってきて!立て替えといて」

「わかったー」

これが立替金です。あとで親から350円もらいます。立て替えといてと言ってしまってますが。

金額も用途も確定しています。

どちらも一時的な支払いに用いられるのは共通してますが、仮払金は経費、立替金は債権(あとで回収しなくてはならないもの、返ってくるもの)なのです。

立替金は、勘定科目です。グループは、後で返ってくる権利(債権)ですので、資産グループとなります。

< 勘定科目 >

  • 立替金(資産):あとで返してもらえる、回収できる債権

立替金の仕訳

仕入諸掛りや売上諸掛りを覚えていますか?以前最初の売上売買で1回だけ出てきました。忘れてますよね人間ですから。あらためて説明します。

  • 仕入諸掛り:商品を仕入れる際に掛る費用、発送費や運送費
  • 売上諸掛り:商品を売り上げた際に掛る費用、発送費や運送費

さらに、この”諸掛り”を私が払うのか相手が支払うのかで呼び方が異なります。

  • 当店負担、当方負担など:私や自分側が支払う
  • 相手負担、先方負担など:取引先相手側が支払う

このようになってます。問題文などからどちらの立場なのかの見極めが大切です。仕訳は、ここまでくれば、難しくないでしょう。

先方負担の仕入諸掛りを立て替えた時の仕訳

取引:A店はB店から商品10,000円を仕入れて、代金は掛けとしました。また、引取運賃(先方負担)500円を現金で支払いました。

商品を仕入れて、代金が掛けです。これはもう説明不要です。

仕入(費用)の発生 = 借方

買掛金(負債)の発生 = 貸方

あとは、引取運賃(先方負担)500円です。先ほどの説明で先方負担、当方負担を説明しました。ここでは、先方負担ですので、B店が本来は払うところ、A店が先に払っています。これが立替金です。そして、その立替金を現金で支払っています。

立替金(資産)の発生 = 借方

現金(資産)の減少 = 貸方

立替金を使用しないで、買掛金から減額する方法もあります。買掛金も立替金も先方に後で支払うので仕入金額から立替金を差し引いた金額で仕訳してしまう方法です。

どちらの仕訳方法をするかは、問題文の指示に従いましょう。

また、当店負担の場合はどうなっていたでしょうか?

当店負担の場合は、仕入原価に含めるとなっていました。もし、忘れていたら、ここでもう一度確認しましょう。

先方負担の売上諸掛りを立て替えた時の仕訳

取引:A店はB店に商品10,000円を売り上げて、代金は掛けとしました。また、発送運賃(先方負担)500円を現金で支払いました。

商品を売り上げて、代金が掛けです。これはもう説明不要です。

売上(収益)の発生 = 貸方

売掛金(資産)の発生 = 借方

あとは、発送運賃(先方負担)500円です。先方負担です。B店が本来は払うところ、A店が先に払っています。これが立替金です。そして、その立替金を現金で支払っています。

立替金(資産)の発生 = 借方

現金(資産)の減少 = 貸方

売掛金も立替金も後で代金を先方からもらえるので、先ほど同様、売掛金にまとめる方法もあります。

さて、こちらも当店負担の場合はどうでしょうか?

発送費(費用)の勘定科目で仕訳でしたね。

まとめ

立替金についてみてきました。ポイントは、当方負担、先方負担でどちらの立場かの見極めです。仕訳自体の負担は少ないですので、立場を間違えないで慎重に考えましょう。

勘定科目一覧

資産グループ

  • 立替金

基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-

第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-

第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-

第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-

第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-

第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-

第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-

第7回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第7回手形裏書値引-

第8回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第8回貸付借入-

第9回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第9回有価証券(株式)-

第10回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第10回有価証券(公社債)-

第11回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第11回未払未収金-

第12回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第12回払受金-

第14回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第14回給料-

第15回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第15回商品券-

第16回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第16回消耗品-

第17回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第17回貸倒引当金-

第18回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第18回固定資産-

第19回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第19回減価償却-

第20回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第20回売却-

第21回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第21回租税公課-

第22回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第22回資本金-

第23回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第23回繰延べ-

第24回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第24回見越し-

第25回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第25回訂正-

第26回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第26回帳簿-

第27回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第27回補助簿-

第28回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第28回小口現金出納帳-

第29回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第29回仕入買掛帳帳-

第30回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第30回売上売掛帳-

第31回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第31回手形帳-

第32回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第32回商品有高帳-

第33回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第33回試算表概要-

第34回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第34回試算表-

第35回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第35回伝票制-

第36回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第36回決算整理-

第37回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第37回締切帳簿-

第38回:まとめ簿記3級勘定科目一覧

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