仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第35回伝票制-
投稿日:2017年9月27日 更新日:
簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。そして、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学でできるように最後まで説明していく35回目です。2016年より5伝票制は試験範囲から消滅しましたので、3伝票制メインで覚えてください。前回は、合計試算表、残高試算表、合計残高試算表についてでしたが、今回は、伝票制についてです。3伝票制と5伝票制があります。仕訳自体は難しくありませんので、どのようなものかを押さえてください。
伝票制とは
普段、取引が多いのに、仕訳帳につけていくのは手間がかかります。そのため、小さな領収証のような紙に記入して、仕訳帳の替わりにします。
3伝票制
- 入金伝票:入金取引を記入
- 出金伝票:出金取引を記入
- 振替伝票:入金、出金にも当たらない取引を記入
記入することを起票とも呼びます。
5伝票制 *2016年より試験範囲から削除されました
3伝票プラス
- 仕入伝票:仕入取引の記入
- 売上伝票:売上取引の記入
3伝票制
入金伝票
< 仕訳 >
10/11 (借方)現金10,000 (貸方)売掛金10,000
入金伝票には、入金取引が記入されます。つまり、借方は「現金」と決まっています。
入金伝票 = “借方” 現金
科目には相手方の勘定科目、金額には取引金額を記入します。
出金伝票
< 仕訳 >
10/8 (借方)買掛金2,000 (貸方)現金2,000
出金伝票には、出金取引が記入されます。つまり、貸方は「現金」と決まっています。
出金伝票 = “貸方” 現金
科目には相手方の勘定科目、金額には取引金額を記入します。
振替伝票
< 仕訳 >
10/26 (借方)仕入3,000 (貸方)現金1,200 買掛金1,800
取引のうち、一部が現金の取引の場合は、一部現金取引と呼ばれます。
- 取引を分解して、起票するパターン
- 取引を一緒と考えて起票するパターン
そして、伝票への記入は、この2パターンがあります。
<取引を分解する場合>
出金取引:商品1,200円を仕入れ、現金で支払った。 (借方)仕入1,200 (貸方)現金1,200
その他の取引:商品1,800円を仕入れ、代金は掛けとした。 (借方)仕入1,800 (貸方)買掛金1,800
このように取引が別々に行われたと考える方法です。そして、このその他の取引を伝票にするのが、振替伝票です。
結果、伝票では、
<取引を一緒とする場合>
この場合は、取引を
その他の取引:商品3,000円を掛けで仕入れた。 (借方)仕入3,000 (貸方)買掛金3,000
出金取引:買掛金のうち1,200円をすぐに現金で支払った。 (借方)買掛金1,200 (貸方)現金1,200
と考え、一旦全てを現金以外の科目で仕入れたことにして、すぐに、もしくは直ちにその一部を現金で支払ったとします。
伝票は、
ここで注意すべきは、出金伝票の相手方科目が仕入でないことです。この考え方では、全部を掛けで支払って、その後すぐに現金で一部支払ったので、買掛金のうちの一部が現金です。
5伝票制 *2016年より試験範囲除外
これは、先の3伝票に加え、仕入伝票と売上伝票が追加されたものです。
- 仕入伝票:借方が”仕入”と決まっている伝票。そして貸方も”買掛金”と決まっています。
- 売上伝票:貸方が”売上”と決まっている伝票。そして借方も”売掛金”と決まっています。
仕入、売上伝票では、常に掛けで全てを支払ったとします。つまり、一部現金取引においては、”取引を一緒として考える”パターンしかないのです。
例えば、売上1,000円があり、現金で600円、残金は掛けとした場合、
一旦全て掛けとして、直ちに一部を現金です。
まとめ
伝票制について説明しました。5伝票制は、範囲外となりましたので、こんなのもある程度にして、3伝票制の特に一部現金取引を確実に押さえてください。
勘定科目一覧
今回はなし
基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-
第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-
第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-
第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-
第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-
第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-
第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-
第7回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第7回手形裏書値引-
第8回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第8回貸付借入-
第9回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第9回有価証券(株式)-
第10回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第10回有価証券(公社債)-
第11回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第11回未払未収金-
第12回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第12回払受金-
第13回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第13回立替金-
第14回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第14回給料-
第15回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第15回商品券-
第16回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第16回消耗品-
第17回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第17回貸倒引当金-
第18回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第18回固定資産-
第19回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第19回減価償却-
第20回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第20回売却-
第21回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第21回租税公課-
第22回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第22回資本金-
第23回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第23回繰延べ-
第24回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第24回見越し-
第25回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第25回訂正-
第26回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第26回帳簿-
第27回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第27回補助簿-
第28回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第28回小口現金出納帳-
第29回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第29回仕入買掛帳帳-
第30回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第30回売上売掛帳-
第31回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第31回手形帳-
第32回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第32回商品有高帳-
第33回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第33回試算表概要-
第34回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第34回試算表-
第36回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第36回決算整理-
第37回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第37回締切帳簿-
第38回:まとめ簿記3級勘定科目一覧
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