仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第7回手形裏書値引-

投稿日:2017年9月18日 更新日:

簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。そして、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学で。を最後まで説明していく7回目です。勘定科目と借方、貸方の仕訳と5つのグループ、勘定科目一覧もイメージできるようにしましょう。前回は、為替手形についてでしたが、今回は、手形の裏書き、割引きについてです。仕訳ルールを覚え、資格試験を受けるのであれば、これをベースに問題や仕訳数をこなしていきましょう。全く知識がない、資格はなくても、経理チームや会計管理をする方々や業務に関係がなくても損益計算書や貸借対照表のような財務諸表を見ていくためにビジネスマンは知っておきたい基礎知識です。

手形の裏書きとは

約束手形や為替手形は、支払期日前であれば他の人に渡して仕入れや買掛金の支払いに使用することができます。

このとき、手形の裏面に日付や名前を書きます。これを裏書きといい、裏書譲渡と呼びます。

手形の裏書きの取引

取引:A店は、B店から商品500円を仕入れ、代金がC店から受け取っていた約束手形を裏書譲渡した。

約束手形や為替手形は、支払期日前であれば他の支払いに使うことができます。

A店は500円の仕入とその支払いのため、B店へ約束手形を裏書譲渡しました。

仕入(費用)の発生 = 借方

もう一方は、受け取っていた約束手形です。受取手形ですか?支払手形ですか?

支払手形であるわけがないですよね。受け取っていたとありますし。A店が支払わなくてはいけない支払手形を他の支払いに使うこと自体わけがわからないですよね?ということは、受取手形(資産)になります。裏書譲渡したのですから、

受取手形(資産)の減少 = 貸方

仕訳をまとめます。

次にB店ではどうなりますか?

B店は、A店からの支払いを約束手形の裏書譲渡でもらいました。

まず、B店では、A店へ商品500円の売り上げがあります。

売上(収益)の増加 = 貸方

そして、裏書譲渡で受け取った約束手形は、支払手形ですか?受取手形ですか?少し迷ったら、ゆっくり考えましょう。B店は売り上げのお金500円を約束手形の裏書きでもらえるんです。

つまり、500円をもらえる権利を得ています。ですので、この約束手形は、受取手形となります。

受取手形(資産)の増加 = 借方

仕訳をまとめます。

手形の割引とは

約束手形や為替手形は、支払期日前でも銀行に持っていくと手数料や利息を引かれて現金化することができます。

これを手形の割引きといいます。手数料や利息を引かれてしまうため、手形に書かれた実際の金額より現金は少なくなります。

手形の割引の取引

取引:A店はB店から受け取っていた受取手形500円を支払い期日前に銀行に持っていき、100円を割り引かれ、残りを当座預金に預け入れた。

まず、A店の受取手形が減少しますよね。

受取手形(資産)の減少 = 貸方

あとは、当座預金に預け入れたとのことなので

当座預金(資産)の増加 = 借方

最後に100円割り引かれの部分です。手形を割り引かれた際の手数料の100円は、手形を売って損した分の費用がかかったと考え、手形売却損という費用の勘定科目で仕訳します。

< 勘定科目 >

  • 手形売却損(費用):手形割引きの手数料

つまり、手形売却損という費用の発生です。

手形売却損(費用)の発生 = 借方

仕訳をまとめます。

当座預金には、手形売却損100円を受取手形500円から差し引いた400円の預け入れとなります。

まとめ

今回は、手形の裏書き、値引きでした。取引内容を分解しながら、一つ一つの勘定科目の増減とグループを考えれば、あとは何の仕訳が足りないのかがわかってきます。手形は裏書きして渡せる(裏書譲渡)、支払い期日前でも銀行に行けば手数料を取られるけど現金化できる(手形売却損)を覚えてください。

勘定科目一覧

費用グループ

  • 手形売却損

基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-

第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-

第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-

第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-

第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-

第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-

第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-

第8回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第8回貸付借入-

第9回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第9回有価証券(株式)-

第10回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第10回有価証券(公社債)-

第11回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第11回未払未収金-

第12回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第12回払受金-

第13回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第13回立替金-

第14回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第14回給料-

第15回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第15回商品券-

第16回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第16回消耗品-

第17回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第17回貸倒引当金-

第18回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第18回固定資産-

第19回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第19回減価償却-

第20回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第20回売却-

第21回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第21回租税公課-

第22回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第22回資本金-

第23回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第23回繰延べ-

第24回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第24回見越し-

第25回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第25回訂正-

第26回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第26回帳簿-

第27回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第27回補助簿-

第28回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第28回小口現金出納帳-

第29回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第29回仕入買掛帳帳-

第30回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第30回売上売掛帳-

第31回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第31回手形帳-

第32回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第32回商品有高帳-

第33回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第33回試算表概要-

第34回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第34回試算表-

第35回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第35回伝票制-

第36回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第36回決算整理-

第37回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第37回締切帳簿-

第38回:まとめ簿記3級勘定科目一覧

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