簿記

仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第17回貸倒引当金-

投稿日:2017年9月22日 更新日:

簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。そして、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学でできるように最後まで説明していく17回目です。勘定科目と借方、貸方の仕訳と5つのグループ、勘定科目一覧もイメージできるようにしましょう。前回は、消耗品についてでしたが、今回は、貸倒引当金についてです。仕訳ルールを覚え、資格試験を受ける場合には、これをベースに問題や仕訳数をこなしていきましょう。全く知識がない、資格はなくても、経理チームや会計管理をする方々や業務に関係がなくても損益計算書や貸借対照表のような財務諸表を見ていくためにビジネスマンは知っておきたい内容です。

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貸倒れとは

貸倒れとは

売掛金や貸付金などの債権が、倒産などの理由で回収できず損失となること。またはその損失の金額をいう

出典:Wikipedia

貸倒引当金とは

取引先が倒産するとその分の売掛金、受取手形が回収できなくなります(もらえなくなる)。もし、回収できなくなれば、その分が全て損失になってしまいます。全てが損失とならないように決算時に残っている売掛金、受取手形などがどのくらい貸倒れてしまう可能性があるかを前もって見積もって、準備します。この準備するお金が、“貸倒引当金”です。

この貸倒引当金は勘定科目となりますが、性質上、負債グループとなります。それは、売掛金、受取手形などの資産のマイナスを意味する勘定科目だからです。性質上としたのはそのためです。

例えば、予め仕訳されている売掛金(資産)が減るか減らないかわからないけど、回収できなかったら嫌だからとりあえず一旦減らしておこう!ということだからです。本質的にグループを分けるとしたら、資産をマイナスするグループといえます。

もし、本当に回収できなくなったら、この貸倒引当金から手当てされることとなります。

< 勘定科目 >

  • 貸倒引当金(負債:資産のマイナス):回収を見込めなくなった売掛金、受取手形などを手当するお金

貸倒れの仕訳

当期(今年度)に売掛金や受取手形が貸倒れた場合にこの処理が行われます。もし前期(昨年度)以前の売掛金や受取手形の貸倒れの場合は、貸倒引当金がすでに帳簿上計上されているはずで手当をできるはずだからです。

取引:B会社が倒産してしまい、売掛金150,000円(当期発生)が貸倒れました。

売掛金(資産)150,000円がなくなったことはわかります。これは、どうにも回収できないものなので、減少させるしかありません。

売掛金(資産)150,000円の減少 = 貸方

そして、もう一つの完全なる損失、つまり当期に発生した売掛金が当期に貸倒れた時は、貸倒損失(費用)を勘定科目として使います。150,000円の損失は、費用として計上するしか他ならないですよね。そのためグループは費用です。

貸倒損失(費用)150,000円の発生 = 借方

< 勘定科目 >

  • 貸倒損失(費用):当期に発生した貸倒れを計上するための費用グループ。前期以前でも貸倒引当金を超える金額の貸倒れの際に使用。

貸倒引当金の仕訳

貸倒引当金設定の仕訳

取引:決算時、売掛金の期末残高(当期の最後の日:決算日)100,000円に2%の貸倒引当金を設定しました。

売掛金100,000円に対して2%なので、2,000円となります。計算式としては、

貸倒引当金 = 売掛金や受取手形の期末残高 x 貸倒れ率(%)

貸倒れたわけではないので、売掛金をどうこうできません。貸倒引当金を費用計上するという意味で貸倒引当金繰入(くりいれ)という費用グループの勘定科目で仕訳します。

< 勘定科目 >

  • 貸倒引当金繰入(費用):貸倒引当金を繰り入れる(計上)するため費用勘定科目

貸倒引当金は、資産をマイナスする勘定科目(負債)でしたので、

貸倒引当金繰入(費用)の発生 = 借方

貸倒引当金(負債)の発生 = 貸方

すでに前期に貸倒引当金の残高2,000円があり、当期に貸倒引当金を設定したときに計算したら、3,000円になったときは、差額の1,000円だけ繰り入れる(差額補充法)仕訳があるのですが、これは、決算の際に一緒に説明します。

前期以前の貸倒れ発生時の仕訳

最初の貸倒損失の例は、当期に発生でした。当期に発生したということは、貸倒引当金はまだ設定されていません。そのため、貸倒損失で仕訳するしかありませんでした。

取引:B会社が倒産して、受取手形150,000円(前期に発生)が貸倒れました。貸倒引当金残高は、2,000円あります。

前期以前であれば、貸倒引当金が帳簿に計上されています。ここでは、前期に発生していて、貸倒引当金が2,000円あります。まず、この貸倒引当金を切り崩して使います。

貸倒引当金(負債)2,000円の減少 = 借方

そして、受取手形は全てなくなるので、

受取手形(資産)の150,000円の減少 = 貸方

売掛金と貸倒引当金の差額148,000円があります。貸倒引当金を越えてしまっている額のためこのようになりました。これは、もうどうにもできない損失です。つまり貸倒損失となります。

貸倒損失(費用)148,000円の発生 = 借方

まとめ

  • 当期に発生した貸倒れ = 貸倒損失
  • 貸倒引当金の設定 = 売掛金、受取手形の期末残高 x 貸倒れ率(%)
  • 前期以前の貸倒れ = 貸倒引当金の切り崩し + 越えた金額は貸倒損失

勘定科目一覧

負債グループ

  • 貸倒引当金

費用グループ

  • 貸倒損失
  • 貸倒引当金繰入

基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-

第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-

第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-

第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-

第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-

第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-

第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-

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