簿記

仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第20回売却-

投稿日:2017年9月23日 更新日:


簿記3級を独学で勉強やネットで勉強。全く初めてだと不安もあります。しかし、勘定科目に借方、貸方とルールが何だか難しいイメージあります。仕訳とは、簿記を基本として、会社では経理部門が管理するお金(会計)の取引記録です。簿記3級合格レベルの知識を独学でできるように最後まで説明していく20回目です。勘定科目と借方、貸方の仕訳と5つのグループ、勘定科目一覧もイメージできるようにしましょう。前回は、減価償却として直接法、間接法、計算方法についてでしたが、今回は、固定資産の売却についてです。固定資産の最重要事項ともいえます。きちんとマスターしましょう。資格試験を受ける場合には、これをベースに問題や仕訳を多く解いてください。また、経理チームや会計管理をする方々や業務に関係がなくても損益計算書や貸借対照表のような財務諸表を見ていくためにビジネスマンは知っておきたい内容です。

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固定資産売却の仕訳

勘が良い方は、お気づきかもしれませんが、売却といえば、得や損、売却益や売却損です。

直接法

取引:1/1(会計期間1/1〜12/31)にA会社は、建物(取得原価500,000円、減価償却の累計額15,000円、直接法で処理)を490,000円で売却して、代金は月末に受け取ることにしました。

だんだん用語が多くなり、難しく感じてきます。しかし、一つ一つ整理して考えれば、仕訳自体は、難しいものではないです。

まず、代金は月末に490,000円受け取ります。大丈夫ですか、売掛金ではありません。商品以外を売り上げたときは、未収金です。

未収金(資産)490,000円の発生 = 借方

次に建物が現在、帳簿上でいくらの仕訳になっているかです。

取得原価は500,000円、減価償却の累計額が15,000円となり、直接法となっています。ここで大切なのは、直接法です。つまり直接法により、帳簿上は固定資産の取得原価を直接減らす仕訳をしています。この取引での減価償却の累計額15,000円とは、建物で仕訳した価額になります。売却のときの建物の帳簿価額は、取得原価500,000円から減価償却の累計額15,000円を差し引いた485,000円(売却時の帳簿上の建物の価額)となっているのです。

建物(資産)485,000円の減少 = 貸方

そして、売却価額(未収金)と帳簿価額(建物)の差額5,000円は利益を得ています。これは有価証券のところでやりましたが、勘定科目が違います。

利益(収益)が出ていれば、

固定資産売却益(収益)

損(費用)が出ていれば、

固定資産売却損(費用)

で仕訳をします。今回は、利益が出ています。

固定資産売却益(収益)5,000円の発生 = 貸方

もし、売却価額が475,000円だったらどうでしょうか。

売却価額475,000円、帳簿上の価額485,000円なので、10,000円の損が出ています。このときは、固定資産売却損を使います。

固定資産売却損(費用)10,000円の発生 = 借方

間接法

直接法での取引と同じ例において、建物(取得原価500,000円、減価償却累計額15,000円、間接法で処理)だとします。

間接法では、帳簿上、減価償却累計額の勘定科目で処理されています。それを売却した場合は、固定資産(建物:取得原価500,000円)と減価償却累計額15,000円をそれぞれ減らす仕訳をします。

未収金(資産)490,000円の発生 = 借方

建物(資産)500,000円の減少 = 貸方

減価償却累計額(資産のマイナス)15,000円の減少 = 借方

差額に5,000円が生じます。これは、固定資産売却益(収益)です。

固定資産売却益(収益)5,000円の発生 = 貸方

もし、売却価額が475,000円だったらどうでしょうか。

売却価額475,000円、間接法なので建物(取得原価)500,000円、減価償却累計額15,000円なので、10,000円の損が出ています。このときは、固定資産売却損を使います。

固定資産売却損(費用)10,000円の発生 = 借方

仕訳の最中に借方貸方に差額が出ます。これで収益なのか費用なのか判断しても良いです。

< 勘定科目 >

  • 固定資産売却益(収益):固定資産を売却した際の利益
  • 固定資産売却損(費用):固定資産を売却した際の損

期中に売却したときの仕訳

取引:(会計期間1/1〜12/31)23年5/1にA会社は、20年1/1に購入したパソコン(取得原価800,000円、期首の減価償却累計額144,000円、耐用年数10年、残存価額は取得原価の10%減価償却は定額法、間接法で記帳)を650,000円で売却して、代金は月末に受け取ることにしました。

ややこしいですね。しかし、これでも一つ一つ整理です。

売却額がわかっています。

未収金(資産)650,000円の発生 = 借方

間接法と書いてあるので、減価償却累計額で記帳していることがわかります。

減価償却累計額(資産のマイナス)144,000円の減少 = 借方

売却したのは、パソコンです。パソコンの勘定科目は備品です。

備品(資産)800,000円の減少 = 貸方

そして、この取引は、20年に購入して、23年5/31に売却しています。21年、22年はすでに減価償却が行われ、帳簿に記帳されていますよね。つまり、それは、23年期首の減価償却累計額144,000円です。惑わされないでくださいね。問題なのは当期です。期中で売却しています。当期はまだ減価償却されていません。ということは、月割りの減価償却をしなくてはいけません。

1年間の減価償却費を計算します。計算式です。思い出してください。

1年間の減価償却費 = 取得原価800,000円 − (取得原価800,000円 x 残存価額10%) ÷ 耐用年数10年

1年間の減価償却費 = 72,000円

売却が5/1で会計期間が1/1〜12/31なので、1/1〜5/31までの5ヵ月分の当期分の減価償却費を計算します。

当期分の減価償却費 = 1年分72,000円 x 5ヵ月 ÷ 12ヵ月

当期分の減価償却費 = 30,000円

当期の減価償却費が判明しました。全てまとめて仕訳をしましょう。

  • 未収金 650,000円
  • 備品 800,000円
  • 減価償却累計額 144,000円
  • 減価償却費 30,000円

忘れてませんか?間接法です。

そして借方貸方の差額24,000円は何でしょうか?

固定資産売却益(収益)が発生しています。

もし、売却額が600,000円の場合はどうですか?

このときは、固定資産売却損(費用)が発生します。

まとめ

固定資産の売却について説明しました。とにかく文言が複雑になって混乱します。しかし、しっかり一つ一つ考えていくことが何より大切です。わかるところから、勘定科目と金額、借方貸方を仕訳していくとクリアになっていきます。

勘定科目一覧

収益グループ

  • 固定資産売却益

費用グループ

  • 固定資産売却損

基礎から始めたい方は、こちらです。→
基礎編:借方貸方どっちの覚え方。左右どっちに迷う仕訳を簡単に-基礎編-

第1回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第1回商品売買-

第2回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第2回現金-

第3回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第3回当座-

第4回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第4回小口現金-

第5回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第5回手形-

第6回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第6回為替手形-

第7回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第7回手形裏書値引-

第8回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第8回貸付借入-

第9回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第9回有価証券(株式)-

第10回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第10回有価証券(公社債)-

第11回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第11回未払未収金-

第12回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第12回払受金-

第13回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第13回立替金-

第14回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第14回給料-

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第22回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第22回資本金-

第23回:仕訳を簡単にわかりやすく簿記3級合格レベルへ-第23回繰延べ-

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