交差比率(交叉比率)とGMROIの計算とは何を意味しているのか

投稿日:2017年11月20日 更新日:

GMROIと交差比率(交叉比率)の計算式は、商品やモノの販売効率を分析、判断する指標として、売れている商品、売れる商品は何か。儲かる商品はどれかを計ることは、販売側としては重要です。そして、在庫回転率(商品回転率)とは在庫の売り行きの早さでを示すものでした。GMROIは、英語Gross Margin Return On Inventory Investmentsの略で、ジーエムロイと呼ばれ、商品投下資本粗利益率を示します。これが高いということは、利益貢献度が高く、直接、売上に効率的に貢献している商品といえます。さらに、交差比率(交叉比率/こうさひりつ)は、在庫の儲かる商品とは何かを判断する指標です。これらは、何が違い、どんな計算を使って導かれているのかを簡単に整理します。

在庫回転率(商品回転率)

在庫の売れ行きの早さを示す指標で計算上の数字が大きいほど良いとされるものです。

そして、在庫金額を売上高との関係で考え、在庫効率を計るものです。

商品回転率(在庫回転率) = 商品売上高 ÷ 商品在庫高の計算式でした。

しかし、これでは売れている商品は何か。売れる商品は何かが計算の答えの大小により判明するだけで、実際にその商品が儲かっているのかは不明です。

商品回転率の答えが大きい = 売れている商品

 

交差比率(交叉比率)

一方こちらは、商品回転率では計れない「儲け」にスポットをあて、ある商品が本当に儲けに繋がっているのかをみるための指標です。計算により導き出された数字が大きいほど、効率的に儲けている商品といえます。

交差比率(交叉比率)の答えが大きい = 儲かる商品

これを計算式で表します。

交差比率(交叉比率) = 粗利益率(%) × 商品回転率(回)

初めてだと何が何だかわからないので、分解していきます。

粗利率(%) = 商品粗利益高 ÷ 商品売上高

商品回転率 = 商品売上高 ÷ 商品在庫高

この2つを合わせるので、

交差比率 = 商品粗利益高 ÷ 商品売上高 x 商品売上高 ÷ 売上在庫高

分数にすれば、“商品売上高”が分母と分子にあるので、消すことが出来ます。

したがって、

交差比率(交叉比率) = 商品粗利益高 ÷ 商品在庫高   

となるのです。

まとめると、

交差比率(交叉比率/%)

= 粗利益率 x 商品回転率

= 商品粗利益高 ÷ 商品在庫高(売価)x100

これは、商品単品で見た場合ですが、全体としてみることも可能です。

その他の”率”参考→

利益率や粗利益率や原価率  昨対比の計算方法と意味 リピート率 

 占有率  ロス率 稼働率掛け率 付加価値率 人件費率

GMROI/ジーエムロイ(Gross Margin Return On Inventory Investment)

GMROIとは、商品投下資本粗利益率(在庫投資に対しての商品別の粗利の割合)のことです。とはいえ、これだけでは訳が分かりません。

モノ売るお店は、販売する商品(Inventory/在庫)に対して、お金をかけて(Investment/投資)、売ることによって儲け(Gross Margin Return/粗利益)を得ています。

“お金をかける”とは、例えば仕入れです。

お店としては、たくさん売れるが粗利益が小さい。たまにしか売れないけど粗利益が大きい。このような商品が混在している訳です。その中で、何を売っていくのか、取り扱いを減らしていくのかを考えなくてはなりません。そして、儲ける力のある商品を

これがGMROIです。どの商品がどれだけ儲け(粗利益)を出しているのかという点では、交差比率と同様ですが、

  • 交差比率 = 売価基準
  • GMROI = 原価基準

で計算します。つまり、交差比率は、GMROIを売価基準に変換したものといえます。計算式で表しても

GMROI(%)

= 粗利益率 x 商品回転率

= 商品粗利益高 ÷ 平均商品在庫高(原価) x 100

平均商品在庫高について

商品在庫高を計算に使う場合、3つの方式があります。

  1. 期末の商品在庫高(商品棚卸高)
  2. 期首と期末の商品在庫高(商品棚卸高)をプラスして”2”で割る。(平均商品在庫高)
  3. 年間の商品在庫高合計を”12″で割る

ここでは、この”2”の方式を利用しています。

まとめ

GMROIは原価、交差比率は売価で計算します。つまり、GMROIは、交差比率の計算式を売価基準に変えたものだといえます。

そして、商品在庫高は、混乱しますが、企業で何を重視しているのかで決まってきます。

特に関連性のある商品回転率(在庫回転率)は、チェックすると良いです。

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