利益率計算方法と粗利率、原価率、値入率計算の各違いを簡単に。

投稿日:2017年10月3日 更新日:

利益率、粗利率計算方法、原価率、値入率の計算方法。算出方法から違い、意味まで、これらは一体何なのか?突然、言われたけど何だっけ!?特に、粗利益(粗利)と利益という言葉は明確に分けて発している場合が少ないため、利益って粗利のこと?粗利って利益のこと?のように混同を招く形になります。そうならないために簡単にわかりやすく整理しておきたい部分です。また、値入率はあまり意識することはないかもしれません。粗利率、原価率、利益率は、小売業や製造業、主に仕事で関わっていなくても企業や店舗では、売上や利益が高い低いくらいは耳に入るでしょう。そして、販売価格の設定計算までいわゆる数字のことですが、各計算方法から概要を理解して、目標に対して◯%でしたとか昨対比◯%。改善や向上はどうするのか?少し興味を持つと視野が広がって、実情が見えてきます。原価、粗利、利益この3つは少なくともビジネスマンでも、店舗のスタッフの方でも学んでおきたいところです。

利益の種類

  1. 売上総利益(粗利)
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 税引前利益
  5. 当期純利益

このように会計上は5種類ありますが、一般的に現場で聞くのは、粗利(売上総利益)または営業利益のどちらかです。詳しく知りたい方は、損益計算書(P/L)を簡単にわかりやすく見方、読み方を確認してみるこちらを参考にしてください。

ここでは、利益、粗利や原価を中心に説明していきます。

色んな率はこちら:
ロス率 商品回転率(在庫回転率) 昨対比、前年、先月、構成、先週、何基準かで変わる?
リピート率 占有率

売上総利益(粗利益)

粗利益(略して”粗利”)

粗利益とは、売上高から売上原価(仕入原価)を差し引いた収益をいいます。

粗利益(売上総利益) = 売上高 − 売上原価 

売上原価とは、売り上げた商品を仕入れるのにいくらお金がかかったのかです。

例えば、1,000円で仕入れた(製造した)商品を1,500円で店舗で販売し、売り上げたとします。粗利は、500円です。これが基本です。

実際には、1個だけ仕入れてや製造してなんてことは、ないですよね。1,000円のモノを10個仕入れて、1,500円で5個だけ売れて、5個は残っている。そうだとしても、売り上げた商品を仕入れるのにいくらお金がかかったかの理論でいくと、

売上高(1,500 x 5) − 売上原価(1,000 x 5) = 粗利2,500円

残ったものをどうするかは置いておいて、計算自体は変わりません。 これが粗利です。

詳しく知りたい方は、仕訳を簡単に覚えて、簿記3級合格レベルへ-第36回決算整理-

粗利率(売上総利益率)

粗利率とは、売上高に占める粗利の割合のことです。

粗利率(%) = 粗利(売上総利益) ÷ 売上高 x 100

先ほどの例では、粗利が500円、売上高は1,500円でした。計算すると33.33333・・・となり、約33%です。これが粗利率となります。

しかし、利益率というのもありますよね?

正直これは、業種や現場、発言する人がどこまで厳密に何の利益をとって言っているのかによります。通常、利益と言えば、粗利を指していることが多いです。では利益率とはそして、利益とは何なのでしょうか?

利益(営業利益)

利益

厳密にいう利益とは、会社の本業での儲けのことで売上高から費用を差し引いた収益、つまり営業利益をいいます。

利益(営業利益) = 粗利(売上総利益) − 費用(販売費及び一般管理費)

費用の中には、

  • 仕入原価
  • 人件費
  • 広告費
  • 発送費

など、商品を売るためにかかった費用で、仕入れ以外にも働いている人へのお給料やテナントに入っていれば、テナント家賃もあります。これら費用を差し引くのです。販売費及び一般管理費と呼ばれ、さらに会計上では、営業利益と呼ばれます

利益率

細かくいえば、先の利益の種類だけ、利益率があります。

利益率(%) = 利益(各種費用も差し引いたもの) ÷ 販売価格(売上高) x 100

販売費及び一般管理費を加えて考えると粗利率とは違う答えになります。つまり売上高に対してどのくらいの利益が得られるのかの比率です。

例えば、

A:販売価格5,000円で1個売ると1,000円の利益(各種費用を差し引いたもの)が出る商品

B:販売価格12,000円で1個売ると3,000円の利益(各種費用を差し引いたもの)が出る商品

どちらが利益率が高いですか?Aは20%、Bは25%です。Bの方が利益率が高くなります。

商品を売ろうとする場合、粗利率を考えるのは当然ですが、仕入れや製造原価以外にも費用がかかっていることを考えないと売上高はすごいのに手許にはマイナス。。。何てこともあり得ないとはいえませんので注意です。

原価

原価

原価とは、業界業種により異なりますが、仕入れる費用、製造する費用を指すことが多いです。

ある商品を仕入れるのに2,000円かかった。ある商品の製造に2,000円かかったなど。

商品を販売しようとしたとき、利益を上げなければいけません。そうなると利益を◯%するために販売価格は。。。◯円で販売して利益は△円にするには原価はX円に抑えたいと考えていくわけです。もちろん逆からでも構いません。

原価率

原価率とは、仕入れ、製造に対して原価が占める割合のことです。

200円で仕入れて、1,000円で販売した場合、原価率は20%になります。つまり利益は残りの80%ここでいえば、800円です。

原価率(%) = 仕入れ価額(原価) ÷ 売上(販売価格) x 100 

値入

値入

値入とは、利益を予想して商品価格を設定するものです。粗利と似ていますが、粗利はすでに売り上げた売上高から原価を差し引いたものです。

値入 = 商品販売価額 − 原価

粗利 = 売上高 − 売上原価

本来は、予想してとあるので、仕入原価100円に対して40%の利益率にして販売価格を決めよう!となった場合、

販売価格 = 100円 ÷ (1− 0.4) = 166.6円 *計算式は販売価額編参照

つまり40%の利益率にしようとすると167円くらいの販売価格を設定しないといけないとわかるわけです。残りの60%は何かというとこれは原価率です。

値入率

値入率とは、ある商品の販売価額に対して占める原価の割合のことです

例えば、メーカーが製品10,000円(販売価額)を店舗に6,000円で販売するとします。

メーカーからみると、6掛けで卸す(販売する)などいいますが、60%がメーカーの利益(粗利)で40%が店舗の利益(粗利)です。

店舗からみると60%が仕入原価(売上原価)となって40%が利益(粗利)となります。

値入率(%) = (販売価額 − 仕入原価) ÷ 販売価格 x 100

あれっ!?粗利率と一緒となってしまいますが、

計算式上は一緒ですが、粗利率は実績に基づいて、値入率は商品販売前の見込みに基づくと考えてください。

販売価額編

値入は、販売価格に粗利益を考慮して決めることです。あなたが商品を考えて販売するとしたら

「いくらで売ろうかな?」を決める指標になるということです。

まず、原価率と粗利益率は加えると1(イチ)になります。どういうことか。

販売価額1,000円の商品で原価率20%だと200円で粗利益は800円、粗利益率は80%。合わせて100%です。つまり0.2+0.8=1です。それを踏まえると次のような式が出てきます。

販売価額 = 原価 ÷ (1− 粗利益率)

     = 粗利益額 ÷ 粗利益率

     = 粗利益額 ÷ (1− 原価率)

例えば次の条件で販売価額を決める場合、

  • 販売価格をいくらにしようか。
  • 原価は400円
  • 粗利益率を80%(0.8)にしたい(原価率を20%(0.2))

このときの販売価額はいくらでしょうか?

販売価額をSとします。すると

S = 400 ÷ 0.2(1-0.8) =2,000円

販売価額を2,000円にすれば良いということです。

応用すれば、様々利用できます。

まとめ

粗利率と原価率をせめて抑えておきたいところです。会社内での呼び方や何を示しているか。または、金額の大きさなどに惑わされてしまい混乱してしまいます。ただし、基本ベースは変わらないので、わかりやすい例えを持っておくと応用も簡単にいきますよ。

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