掛け率計算とはの意味から上代下代と卸値、値入率から原価まで

投稿日:2017年11月16日 更新日:

掛け率(かけりつ)計算とは何?耳にして、当たり前のように使われる言葉。卸値、上代下代、値入、原価の計算のときなど様々な呼び方が飛び交います。”○掛け仕入れ””○掛けで卸す”これらは、メーカーや販売を行う様々な業種で使われる専門用語の基本用語です。それぞれの違いや意味は、モノを取り扱うビジネス(メーカー、店舗)をしている場合は、特に必須で押さえておきましょう。英語では卸値、下代(Wholesaleprice/ホールセールプライス:卸し価格)、上代(Retailprice/リテールプライス:小売価格)と一般的には訳されます。もちろん”率”には計算が伴います。とはいえ、この掛け率の計算方法は、簡単なお話なので、それらをわかりやすく捉えて、各項目を説明していきます。

掛け率とは

まず、考える場合、どちらの立場から見たものなのかが大切です。

  • メーカー側:取引先にモノを売り、取り扱ってもらう側(店舗など)
  • 店舗側(仲介業者、卸業者):取引先からモノを仕入れ、取り扱って、最終的なお客様(消費者)に売る側

ある商品1,000円に対して「6掛けでお願いします。」

この”◯掛け”。これは、商品に対して60%の値段で仕入れる(店舗側)、60%の値段で売る(メーカー側)を意味します。

メーカー側視点では、商品1,000円で消費者(お客様)に販売して欲しいものを仲介してくれる店舗に60%(6掛け/0.6)の値段、つまりは600円で店舗(取引先)に売るということです。

店舗側視点視点では、お客様(消費者)に1,000円で売るものをメーカーから60%(6掛け/0.6)の値段600円で仕入れる。それを消費者に対して売り、差額の400円が店舗側の利益になるということです。(メーカー側は600円の利益)

つまり、「◯掛け」とは、商品の値段に対して、何%で購入(仕入れ)できるかを表しています。

もし、あなたがアパレル店舗で1,000円の商品に「20%OFF」となっている服を購入したとします。これは、言い換えれば、あなたは「8掛け」で服を仕入れたということになります。

掛け率とは、定価に対する割合をいい、金額では、「卸値(おろしね)」。率では、「卸率(おろしりつ)」と呼ばれ、仕入れる側では、率が、「仕入原価率」、仕入れる金額を「仕入値」または、「仕入原価」と呼ぶのです。

昨今では、店舗などで”定価”と表示されているものは少ないかもしれません。”オープン価格”というのが多いでしょうかね。

これは、消費者に販売する側が仕入れた値段に対して、利益を自由に乗せることができることですが、メーカーの定価以上になってしまうと大問題です。その辺は、下記を参照にしてください。

『オープン価格』→ 小売希望価格、オープン価格、定価とは

ここでは、便宜上”メーカーが最終的なお客様(消費者)に販売する価格”として、”販売価格”と表記します。

掛け率(%) = (メーカーの卸値または販売店の仕入値) ÷ 販売価格 x 100

先例では、600円が卸値、仕入値、販売価格1,000円なので、

掛け率 = 600 ÷ 1,000 = 0.6 = 60%

となります。

さらに先の例で利益となる差額400円を「値入率」と呼びます。

値入率(%) = (販売価格 − 仕入原価) ÷ 販売価格 x 100

値入率や原価率、粗利率詳細:利益率や粗利益率や原価率。計算方法や違いを簡単に理解と把握

 

上代下代

上代は、販売価格(売値)を表し、下代は、卸売価格(卸値)をいいます。

先例では、上代1000円、下代600円がそれにあたります。上代の下代の差額400円が店舗では利益となります。(600円はメーカーの利益)

まとめ

言葉があれこれ出てきますが、メーカー側か購入側か、どちらの視点で見るかにブレがなければ、よりわかりやすくなります。

上代 = 販売価格(売値)

下代 = 卸値または仕入値

掛け率は、お客様(消費者)へ販売する価格に対して、店舗側では、仕入値、メーカー側では、卸値の割合が何%かを示しています。

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