オープン価格とは。定価、希望小売価格の違いやメリットデメリット

投稿日:2017年11月22日 更新日:

オープン価格(オープンプライス/open price)の意味とは何か。法律で「二重価格表示」が問題となって、いつの頃からか良く目にするようになり、定価やメーカー希望小売価格をお店の表記で見ることがなくなりました。このオープン価格のメリットやデメリットはどんな点があるのでしょう。ところで、これらの違いは一体なんなのか。と疑問が残ります。価格設定について簡単にわかりやすく、意味や違いを整理して確かめておきましょう。特に販売ビジネスに関わる方は、必須です。

二重価格表示とは

昔は、メーカー希望小売価格というのを表記して販売していたのですが、ディスカウントショップなどが普及し、実際どれが”正式な値段”なのかがわかりにくくなりました。そして、希望小売価格が消費者(購入するお客様)に誤解を招くとされ、「オープン価格」が登場しました。

二重価格表示は、不当表示となるのですが、これは、景品表示法と呼ばれる法律で細かく定められています。「不当景品類及び不当表示防止法

簡単に言えば、『消費者に商品やサービスを提供する際、実際よりも有利であるかのように見せてはいけませんよ。』ということです。値引きキャンペーンは、期間を空けて行わなくてはいけないなどがあります。

例えば、あるお店のある商品を「通常1,000円を50%OFFで500円!」として販売したとします。この商品が以前に”通常価格1,000円”で販売した実績がなければ、お店での販売価格1,000円の根拠がなく、単なるお店での旧価格を比較した「実際より有利であると誤認させる表示」となり、違法になるのです。

詳細は、割愛しますので、興味があれば、消費者庁や先のリンクで確認してください。

価格表示

価格表示は3つあります。

  1. 定価
  2. 希望小売価格
  3. オープン価格(オープンプライス)

それぞれの意味と特徴をみていきます。

定価

  • メーカーによって事前に決められた販売価格(売価)
  • 値上げや値下げ(値引き)は、全く認められないことが前提

流通している卸業者や直接取引をしている店舗に価格を強制するとして、今日では、あまり表記を見ることができなくなりました。そのため、それに変わって、メーカーは、希望小売価格やオープン価格を公(おおやけ)に示し、定めることとなったのです。

希望小売価格

  • メーカーが提示する希望販売価格のこと
  • 定価のような拘束力(値上げ/値下げ)はない

「小売価格」としないのは、メーカーが小売価格を決めることを法律(独占禁止法)で禁止されているため、あくまで”希望”なのです。

実際に販売される販売価格は、小売店が決めることとなり、メーカーがその価格をコントロールすることはできません。メーカーは「この値段で販売いただけたら良いです」という”希望”するだけです。消費者(お客様)から見るとその表記は、購入を検討、判断するための指標に過ぎない価格設定の方法といえます。

小売店が決めていて、拘束力がない例としては、スキー場やイベント会場での自動販売機の値段が、置いている地域や場所によって違うことです。これらは、輸送のコスト面などを考慮していることで120円が150円になったりするわけです。それだけではありませんが、理由1つとしてあります。

また、ここで問題なのは、販売価格設定は小売店の裁量であるにも関わらず、家電量販店などの値引き競争のためにメーカーが”希望”しているだけの価格を表記して「○%OFF!」などとしてしまったことです。

例えば、1個1,000円が相場(競争市場でも主要を占める概ねの価格)の商品をメーカー希望小売価格が2,000円なのにつけ込み「希望小売価格2,000円から50%OFF!」と販売してしまうのです。買ってしまいませんか?

これは、消費者(お客様)に「その商品の値段が本当はいくらなのか?」という疑問と混乱させる表記として二重価格表示に該当することとなります。

オープン価格(オープンプライス)

  • 販売価格は、お店が決める
  • メーカーは、お店に商品を流通させる(お店に売る)値段(卸価格)のみ決める

希望小売価格に倣い、公正取引員会が「製品価格を実際の市場価格に近づけるようにしましょう!」として生まれたのが、「オープン価格」です。

希望小売価格は、メーカーが決めましたが、オープン価格は、小売店が決めるのが大きな違いです。

つまり、メーカーは、お店(小売店)側に商品を売る価格だけを決めて、お店(小売店)が消費者(お客様)に売る価格(販売価格)を決めるということです。

ここ最近のカタログなどでもこの”オープン価格”と表記されるのはこのためです。

消費者(お客様)のデメリットとしては、

  • 実際にお店に行かないと値段がわからない
  • 販売店により差があるため、他店が安かったなど、消費者自身のリサーチ力が必要

しかし、今までの希望価格の半額!で購入のようなことは起こりません。その一方、「具体的な値段がわからない!」となりますが、敢えていうならば、その値段は、メーカーがお店側に売る際の値段ですよね。それにお店が利益を乗せて販売するので、それは言えないですし、言わないです。

メリットは、謳い文句に惑わされることなく、安い所で購入できる点です。

メーカーや小売店としてのメリットは、

  • 値引き競争などの消耗戦にならない
  • 市場価格をある程度意図的にコントロールできる

デメリットは、製品の相場が実際の消費者(お客様)にとって捉えにくい点です。

まとめ

オープン価格、定価、希望小売価格について触れてきました。

  • 定価は、メーカーが決め、値上げ値引きが小売店側で一切できない。
  • 希望小売価格は、メーカーは”希望”する値段を提示するのみで、実際は小売店が販売価格を決める。また、値上げ/値下げの拘束力はない。
  • オープン価格は、消費者(お客様)への販売価格は全権小売店にあり、メーカーはお店側に販売(流通)する商品の値段を決めるのみ。

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