棚卸資産期間(日数)と回転率の計算式と評価方法とは基本何の話
投稿日:2017年11月21日 更新日:
資産期間や回転率(日数/月数)。”棚卸しとは”を分かりやすく簡単に意味を例えるならば、あなたが家計簿をつけながらお財布のお金を管理していたとして、家計簿とお財布の中身が合致しているかを確かめる作業のことです。この棚卸し評価方法(やり方)は何種類かありますが、これは各企業のやり方に合わせて行います。これがビジネスになると主に”商品”を扱う製造業や小売業で行われます。英語では、単なる在庫品を意味するstock(ストック)、在庫資産の意味に近いinventory(インベントリー)があります。資産とは、お金、土地、建物、商品などを示す会計用語です。また、棚卸資産回転率、回転期間(日数/月数/年数)は何を計算しているでしょう。これらを紐解いていきます。
棚卸しと棚卸資産と棚卸評価方法
ビジネス上の棚卸し、棚卸資産をみていきます。
棚卸し
棚卸しは、商品、製品を扱う業界では、毎月または、遅くても会計上の4半期ごとに行います。帳簿(事務上必要事項を記入するノートのようなもの)と実際にある商品在庫などが数量、金額ともに合致しているかを確かめる作業のことです。なぜ行うのか?それは、会社は、決算という会計上の手続きがあるためです。
さらに、売上に対する商品原価を把握する意味もあります。
考えてみてください。もし、あなたの家計簿とお財布の中身が違ったとしたら、何か他に買ったものがあるや落としてしまったなど様々な理由が出てきます。個人なら「まっ、何か買ったんだな」で済むかもしれません。しかし、会社ではそうはいきませんよね。理由が何なのかを特定させなくてはいけません。
その会計手続きのため、棚卸ししなくてはいけない資産を棚卸資産と呼びます。
棚卸資産
棚卸資産は、在庫、原材料、仕掛品(製造途中のモノ)を主にいいます。
その他資産には、土地や建物もあります。これらは、評価額と呼ばれる、建物の価値や土地の価値が金額ベースで上がっているか(評価益)下がっているか(評価損)により、棚卸しされます。上がっていれば、棚卸評価益、下がっていれば、棚卸評価損として、会計上の用語を使い処理されます。
棚卸評価方法
棚卸の評価方法(棚卸のやり方)は、7つあります。どの方法を取るのかもしくは取っているのかは、各企業に合わせて行います。例はモノとしますが、資産と捉えてください。
- 先入先出法
- 移動平均法
- 総平均法
- 個別法
- 最終仕入原価法
- 売価還元法
- 低価法
“1〜6”の評価方法を「原価法」と呼びます。
先入先出法(さきいれさきだしほう)
先に仕入れたモノから先に売れていると考える方法。
初めの仕入れが、100円で10本。2回目の仕入れが、120円で10本。今月の売上が15本だった場合。
100円のモノが10本、120円のモノが5本で、残りは120円のモノが5本とする考えです。
移動平均法
仕入れる度に平均価額を計算する方法。
初めの仕入れが、100円で10本。2回目の仕入れが、120円で10本の場合。
合計金額(100×10 + 120×10) ÷ 合計数量20 = 110円。
この110円をそのモノの原価とする考えです。
総平均法
年間/月間など期間中の仕入れた総金額を総数量で割り平均額を計算する方法。
前期仕入れが、100円で10本。今期仕入れが、120円で10本の場合。
合計金額(100×10 + 120×10) ÷ 合計数量20 = 110円。
この110円をそのモノの原価とする考えです。
個別法
個々それぞれに原価を計算する方法。
“仕入れ”と”売れた”の頻度が高いモノには、手間だけがかかるため不向きです。指輪やネックレスなど1点しかないモノには向いています。
最終仕入原価法
締めの期間の末に一番近い仕入れ単価を期末棚卸原価として計算する方法。
しかし、この方法は、実際の原価と大きく誤差が生じることが考えられます。細かいお話ですが、「棚卸資産の評価方法届出」を提出しなければ、自動的にこの方法がとられます。
売価還元法
売価に原価率を掛ける(X)ことで原価を計算する方法。
詳細:利益率や粗利益率や原価率
低価法
原価法での単価と期末単価を比較して、低い方を取って計算する方法。
棚卸資産回転率
商品の販売が効率的にできているかを計る指標です。回転率で導き出された答えが大きいほど効率よく売れていることになります。これは、それが“実際の儲け(利益)”に繋がっているかはまた別です。なぜなら、その商品1つに対しての儲け(利益)が仕入原価により変わるからです。
100円の商品が回転率が大きくても儲け(利益)40円、100円の商品が回転率が小さくても儲け(利益)が60円ということも商品ごとにあり得るのです。
棚卸資産回転率(回) = 売上高 ÷ 棚卸資産合計
回転率が大きいほど、動きの良い商品と見れます。逆に低ければ、動きが悪い商品といえます。
棚卸資産回転期間(日数/月数/年間)
棚卸資産回転月数 = 12ヵ月 ÷ 棚卸資産回転率
ここでは例として月数ですが、日数なら”12”。年間なら”1”などになります。
これは、在庫高(在庫量)が売上の何倍あるのかを示し、棚卸資産が1回転するのにどれだけの期間がかかるのかを示しています。
例えば、棚卸資産回転率が4回だとすると、棚卸回転月数は3ヵ月となります。1回転つまり在庫が0(ゼロ)になるのに3ヵ月かかる。3ヵ月分の在庫を持っているともなります。
答えの数値が低いほど、効率よく在庫が回っているといえます。
まとめ
この棚卸資産回転率と棚卸資産回転期間。何かと似ていないでしょうか?商品回転率(商品回転率(在庫回転率))です。計算式も同じです。”商品”と使うのは、主に店舗を構えている企業が多いです。つまり、文言の違えはあれど、示す意味は一緒となります。
また、計算を原価か売価のどちらなのかでも混乱します。これは、原価である場合が通常です。これも企業によりけりのため、実際に行う際の判断が必要です。
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