CDの売上不況によるCDショップ衰退、減少の行方はどうなるのか
投稿日:2017年9月8日 更新日:
CDが売れない時代といわれて早何年。スマートフォン普及により、音楽ビジネスも大きく影響を受けている。顕著なのは、CDショップである。純粋なCDのみを扱う店舗は近年見られなくなっている。もちろん音楽業界全体にも影響を及ぼす。原因は、何なのか、今後の展望はどうしたら良いのか。CDショップを軸として考えていきます。
CDが売れなくなった原因と過程
CDが売れなくなってきたのは大きく原因が2つあります。
- インターネット音楽配信によるI tunesなどの発展
- スマートフォンの普及
ほんの十数年で、CD業界は、驚くべき変貌を遂げています。CDバブル期では、200万枚、下手すれば300万枚、400万枚と一つのアーティストが売れてしまう状況だったにもかかわらず、現状では、10分の1規模であり、市場自体が衰退している。
また、歴史としてCDのみを音楽として純粋に売っていた時から、メーカーの特典至上主義(CDに購入豪華特典を設ける)が始まり、その後CD+αとして、CD+DVD盤や何種類ものジャケット違い、更にはそれらに初回限定盤と通常盤、初回通常盤など同じパッケージに5種類発売となっていきます。そして、現在は、アイドルグループの握手券がこれにあたり、以前よりは落ち着いてきた感があります。
その過程の中で、音楽配信が始まります。気になったのものをCDを買うしか手段がなかった時代から、インターネットで購入する時代へです。ここで起きたことが2つあります。
- 有名な曲つまりは、メインの曲しか欲しくないお客様が、ネットでは1曲で購入できるとともに安いため、そちらで購入する。
- ライトユーザーがCDショップを離れていく
インターネットで購入できる以上、お客様は、パッケージとなっているCDがいらなくなる、または割高に感じてしまう。歌詞は調べれば良い。となると、必然的にCDショップへ行く目的がなくなります。CDショップ離れの幕開けです。
CDショップは誰のものに
CDショップは形を変え、近年では、雑貨や本の取り扱いも増えてきている。CDショップは、どこへ向かうのか。
現状を支えているのは、ヘビーユーザー、つまりは、アーティストのファンやコレクター気質のお客様がメインでCDを購入していると考えられます。数多くのCDショップが閉店や業態を徐々に変更(本や雑貨の取扱い開始)が見受けられ、ライトユーザーの呼び戻し、新規ユーザーの掘り起こしを行なっています。その一方、レコードブームの再燃にも火が灯ってきています。
CDショップは、現在過渡期にあり、音楽自体がCDで買う時代が続くのか。全てをネットで購入するへ移るのかの状態です。
音楽を聴くという方法がどのように変化していくのか。まさしく、お客様の選択と音楽業界の戦略になってきます。
LIVEは好調
CD不況であるにもかかわらず、コンサートやfesは好調です。物販(グッズ類)も好調なのです。全国各地でリリースイベントをする場でのCDは売れている。リリースイベントでは、独自の特典があるので、ファン心理で買ってしまうことはあります。しかし、CDショップに頼らなくても、足で稼ぐ時代になるのでしょうか。ここで深掘りはしませんが、体験型の付加価値がCD購入へ繋がっていると考えられます。
CDの行方
CDショップとして生き残るのは大変困難になるでしょう。CDという形態そのものがなくなる可能性が大きいからです。古くはレコードから→CD→CD、MD混在期→CD→ネット配信と時は流れました。今後のネット配信メインでの販売を考えます。
- プリペイドカード方式でのアーティストのシングル、アルバムの発売
- 歌詞カードを別売り
これらは、音楽業界内もしくは、アーティスト側が仕掛ける事になりますが、プリペードカードは、コレクションになりますし、歌詞カードを別売りにすることで、欲しい人は買います。CDショップといわれる専門店は、カードや歌詞カードを扱う本屋のような存在になります。
最近、音楽を購入してない。世代によっては顕著に表れます。ただ、fesやLIVEは盛り上がっています。もし、音楽専門店としてのCDショップ復活の鍵は、CDという形態の今後そしてLIVEとの相互価値に、もしくは、復活を望まず、現状のように徐々に全くの異業種を取り込んでいき、店舗形態を変えていけるかになります。
ただし、音楽が全くなくなる。そんな時代が来ることはなく、販売する形態が変化していくにすぎません。
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