CPOの意味って何。LTVとの関係性からCPA、限界CPO計算まで

投稿日:2021年2月26日 更新日:

みなさん、先にお知らせしますが、CPO(CostPerOrder:顧客獲得単価)、LTV(LifeTimeValue:顧客生涯価値)、CPA(CostPerActionまたはCostPerAcquisition:顧客獲得単価)のそれぞれ頭文字を取ったマーケティング用語となります。CPO、CPAが同じ日本語の意味になっていますが、それは後ほど説明します。”CPOを下げて、LTVをあげる施策”をなど主にインターネット経由でのサービスやモノ販売で使用されますが、これは何もそれだけに当てはまるものではなく、リアルなモノやサービスでも十分に活用できます。そして主に定期購入やサブスクリプション(サブスク)を主とした指標となり、基本的なそれぞれ計算式も存在しますので、そちらも交えながら、これらが何を示しているのかをみていきます。

CPO(CostPerOrder:顧客獲得単価)とは

『1人(1件)の注文(購入)を獲得するのにかかった費用』

のことです。

サービスやモノを提供、販売する側から見ると、なるべく広告宣伝などの費用をおさえて、多くのお客様が注文や購入をしてくれたら、これほど嬉しいことはないですよね。

主に通販の定期購入やサブスクリプション(サブスク/月額定額制)で使われることの多い指標です。いわゆるリピート購入です。リピート購入とは、止めることなく継続してそのサービスやモノを利用、使用することです。

例えば、広告宣伝費を50,000円。購入に至ったお客様が100人だった場合、CPOは、500円となります。

つまり、計算式は、

CPO = 広告宣伝費(かけた費用) ÷ 注文(購入)した人数(件数)

となります。

さて、例えCPOが500円だからといって、安心はできません。単純に考えてみましょう。

販売価格:500円

原価:100円

だとします。

今回、広告宣伝費を50,000円をかけて100人のお客様が購入しました。

広告宣伝費:50,000円

獲得売上:50,000円(500円 x 100人)

原価:10,000円(100円 x 100人)

お分かりになりますか。原価分の10,000円が赤字となってしまいます。この例では広告宣伝費をかけすぎているともみれます。

しかし、これが定期コースやサブスクリプション(サブスク)でお客様がこのまま全員継続すると仮定した場合、2回目以降は広告宣伝費がかかりません。0円です。つまり、獲得売上の50,000円は毎月利益になります。さらに、1回目では、原価分10,000円がマイナスで赤字となりましたが、この分と2回目の原価10,000円の合計20,000円は、2回目の獲得売上50,000円で補えることとなります(利益30,000円)。

だからと言って、宣伝広告費を2倍!というわけにもいきません。もし、購入者が2倍ではなく、1.5倍だったら。。。

CPO = 100,000円 ÷ 150人 =約667円

広告宣伝費:100,000円

獲得売上:75,000円(500円 x 150人)

原価:15,000円(100円 x 150人)

もちろん、先の例同様、2回目以降で補うことができますが、1回目では原価分と広告宣伝費と獲得売上の差によって、40,000円のマイナス。2回目は広告宣伝費が0円になるため、獲得売上75,000円1回目のマイナス40,000円に2回目の原価15,000円をプラスして55,000円。売上との差により20,000円の利益となります。

先の例では3回目以降は、継続してくれるお客様が増えれば増えるほど、利益を積み上げることができ流ことがわかります。しかし、現実は、

新規獲得して、継続、離脱(定期購入をやめること)、その間にも新規獲得してを繰り返しています。

主に定期購入やサブスクリプションで使用される指標となっているのは、このためです。逆にそのような定期購入でなく、単品の製品でも広告費が適切だったかを確かめるのに簡単な指標になります。

なんとなくですが、『広告宣伝費を考えないとな!』『CPOは低い方がいいよな!』とお分かりいただけたのではないでしょうか。

広告宣伝費(顧客の新規獲得の費用)をなるべくかけずに多くのお客様を獲得したい!が理想ですよね。

これがCPOの基本の考え方となります。

【CPOのポイント】

・CPOがわからなければ、広告予算を立てることができない。

・CPOが下げつつ、新規顧客獲得を増加させる。

LTV(LifeTimeValue:顧客生涯価値)とは

顧客生涯価値??となりますよね。

『顧客が生涯にわたって、そのサービスやモノにどのくらいの金額を使ったか』

のことです。生涯というと大袈裟に聞こえますが、年間や一定期間と置き換えれば、わかりやすいでしょう。

もっと言えば、

顧客に継続してもらうことで得られる利益の指標

となります。

つまりは、LTVが高ければ高いほど、そのサービス、モノを継続的に利用、使用してくれているとなります。

そして、最も大まかな計算式は、

LTV = 売上高(年商) ÷ 顧客数

例えば、年商1,000万円のサービス。顧客数が1,000人だった場合

LTV = 1,000万円 ÷ 1,000人 = 10,000円

となり、もしそのサービスが500円だった場合、顧客1人が年間20回程度購入してくれているという指標になります。これは、必ず1人ひとりが20回購入しているというわけではないことに気をつけてください。

詳細は割愛しますが、少し深掘りしていきますと基本として

LTV = (平均)購入単価 x (平均)購入回数 x (平均)継続期間

上記式がより細かく計算できます。こちらの方が現実的だと思います。必ずしも平均である必要はありません。

例えば、顧客の平均購入単価3,000円、平均購入回数3回、平均継続期間1年とします。その際のLTVは、

LTV = 3,000円 x 3回 x 1年 = 9,000円

となります。

どういうことかわかりますか。

ここから読み取れるのは、“購入単価、購入回数、継続期間”どれか1つでも数字増えれば、LTVの金額はあっという間に増加しますよね。

【LTVのポイント】

・顧客購入単価をあげる。

・購入回数を増やす。

・継続期間を長くする。

CPOとLTVの関係性

先の2節でCPOとLTVの概要ならびに計算をみてきました。

さて、サービスやモノを提供するメーカーなどの立場に立ってみましょう。とある定期購入やサブスクリプション(サブスク)などリピート購入を前提として、利益を最大にあげていきたいと考えると、

” CPOを下げて、LTVを最大化 “

これがミッションとなります。つまり、

新規顧客獲得単価の費用を下げて、長くリピート継続してもらって利益を最大化。

になります。

新規顧客を獲得することは大切です。ただし、費用はあまりかけずに。

顧客を獲得しても継続してくれないと利益が増えない。だから、継続させたい。

利益が増えないと新規顧客獲得するための費用も出せない。

ということです。

さらに、LTVを最大化していくためには、何かしらの理由で継続を途中で止めてしまった休眠顧客。この人たちにまた再度利用、使用してもらうことも合わせて必要です。いわゆる掘り起こしです。このことはまたの機会に。

【CPOとLTVの関係】

・LTVがCPOに見合わない場合、広告宣伝費が無駄になっている。

・LTV > CPO であることが基本。

CPA(CostPerActionまたはCostPerAcquisition:顧客獲得単価)とは

『1人(1件)のコンバージョンを獲得するのにかかった費用』

意味としてはCPOとともに顧客獲得単価となるのですが、CPOが本サービスや本製品の注文、購入であるのに対して、コンバージョン(あえてこの言葉とします。コンバージョンが注文や購入である場合もあるためです。)を獲得するのにかかった費用となります。

ここでのコンバージョンとは

“資料請求、お試しセット購入、お問い合わせ、メルマガの登録”

を指します。

CPAの計算式は、

CPA = 広告宣伝費(かけた費用) ÷ コンバージョン獲得件数

となり、式としてはCPOと同じになります。

そして、ポイントや内容もCPOと同様になるので、上記CPOの節を参考にしてください。

限界CPOとは

『1人(1件)顧客獲得あたりにかけられる限界の広告宣伝費(かかる費用)』

これ以上1人(1件)に費用をかけると採算割れ、つまりは、赤字になりますよ。という限界値です。

これによって導き出された金額より広告宣伝費を抑えることが利益が出るとも言えます。

計算式は、

限界CPO = LTV − (広告宣伝費,原価を除く総費用 ÷ 総顧客数)

例えば、年間売上1,000万円、総顧客数500人、総コスト(広告宣伝費,原価を除く)500万円とします。

LTV = 1,000万円 ÷ 500人 = 20,000円

限界CPO = 20,000円 − (500万円 ÷ 500人) = 10,000円

限界CPOは10,000円となります。つまり、

1人の顧客獲得にかけられる費用は10,000円ということです。

この金額を超えてしまうとマイナス(赤字)の利益となります。

一方、10,000円までに抑えることができれば、

費用対効果が最適化できている、または、できる

わけです。

これもリピートのあるサービス、モノが主の概念です。

もし、リピートの低いもしくはリピートのないサービスやモノでない場合は、

限界CPO = サービスやモノの単価 − 原価

と単純化されます。

アップセルとクロスセル   集客って。1 集客って。2  消費者の行動心理

まとめ

CPO

『1人(1件)の注文(購入)を獲得するのにかかった費用』

CPO = 広告宣伝費(かけた費用) ÷ 注文(購入)した人数(件数)

 

LTV

『顧客が生涯にわたって、そのサービスやモノにどのくらいの金額を使ったか』

LTV = 売上高(年商) ÷ 顧客数

LTV = (平均)購入単価 x (平均)購入回数 x (平均)継続期間

 

CPA

『1人(1件)のコンバージョンを獲得するのにかかった費用』

CPA = 広告宣伝費(かけた費用) ÷ コンバージョン獲得件数

 

限界CPO

『1人(1件)顧客獲得あたりにかけられる限界の広告宣伝費(かかる費用)』

限界CPO = LTV − (広告宣伝費,原価を除く総費用 ÷ 総顧客数)

意味だけまとめました。これらを単体で一つ一つを見るわけではなく、総合的に使っていき、売上向上などの戦略を綿密にしていきます。

ぜひ、”総合的に”ですよ。

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