ロス率の計算方法。飲食や製造、小売での棚卸、廃棄、値引き、不明ロス概要
投稿日:2017年10月20日 更新日:
ロス率が利益を圧迫するといわれます。飲食業では主に廃棄、小売業では値下げや万引きなどにより、仕入れたモノが何らかの理由でロスになってしまい、利益から差し引きせざるを得なくなります。ロスとは英語そのままにLOSS(なくす)ですが、どのように計算し、どんな影響をもたらすのかをわかりやすく簡単に解説します。
ロス金額とロス率の計算式
ロス率とは、実際に廃棄や値下げ、理由不明の事由により、そのロスした金額を実際の売上高から差し引いて求める損失額を%で表したものです。この説明からもわかるように結果として、利益を減少させる原因になります。
ロス金額の計算式
ロス金額 =
(販売金額 x ロス個数)
(値引き金額 x 値引き個数)
(帳簿在庫価額−棚卸価額在庫)
ロス率の計算式
ロス率(%) = ロス金額 ÷ 売上高 x 100
例
ロス金額では、業種によって対象となるものが変わってくるでしょう。飲食業では材料ごとになるかもしれません。
例えば、原価500円の商品が30個あり、そのうち1,000円で25個販売し、300円値引きして4個、1個はロスとします。
ロス金額 = 値引き分(300円 x 4個) + ロス分1,000円 = 2,200円
売上高 = (1,000円 x 25個) + (700円 x 4個) = 27,800円
ロス率 = ロス金額1,900円 ÷ 売上高27,800円 x 100 = 6.83%
これは販売額ベースで計算しましたが、原価ベースで計算する企業もあるでしょう。
ロス金額 =値引き分(300円 x 4個) + ロス分500円 = 1,700円
売上原価 =(500 x 25個) + (200円 x 4個) = 13,300円
ロス率 = 1,700円 ÷ 13,300円 x 100 = 12.7%
これをみて皆さんは、どう考えるでしょうか。
まだ、何万円単位の売上高で計算していますが、これが売上高何百万とかなってきたとすると、ロス率が増えると従業員一人分の給料と同額にもなり得る可能性になるのが想像できます。
時間が経過してしまうと価値が減ってきてしまうモノを取り扱っているアパレルやスーパーの値引きやセールなどは、このロス率を抑えるために少しでも売上を稼ごうとする仕組みです。しかしながら、これは同時に、売上(値引きした金額分)も減り、利益の減少を発生させます。
飲食店では、材料ごとでロスを細かく算出するかもしれません。仕入れるときに安いからと多く仕入れ、結果ロスに繋がる。これは是非とも避けたい事態です。オーバーポーションという、1品に定められている材料の量以上に使用してしまい、食材の無駄使いに繋がらないよう注意が必要です。
まとめ
色んな率:商品回転率(在庫回転率) 利益率や粗利益率や原価率 稼働率
業界、業種が違えど、ロスに関する基本的概念は一緒です。計算もそれぞれにあった数値で計算しましょう。
ロスや原価を抑え、売上を上げ、利益を得るが基本です。しかし、これを短期でみるか長期でみるか、様々な問題点の洗い出しと改善があるはずです。これは、その一要素にしかすぎないです。
色んな観点から戦略を考えましょう。
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