貢献利益率(限界利益率)と売上総利益率(粗利率)の計算や意味

投稿日:2017年12月18日 更新日:

貢献利益とは、「これ以上、この製品が利益に貢献できません!」ということでもなく、限界利益とは、「これ以上売ることができません!これが限界の利益です!」ということでもありません。損益分岐点でも変動費や固定費これらの用語が出てきます。それぞれの用語の意味のほか、違いがあるのか。また、限界利益率や貢献利益率の求め方や計算式から売上総利益率=粗利率=マージン率まで。言葉が様々存在すると、混乱しわからなくなってしまいます。求め方から言葉の意味、内容を整理して、初心者でもわかりやすい形で簡単に説明をしていきます。因みに英語では限界利益(貢献利益)は”marginal profit(マージナルプロフィット)”となります。

貢献利益(限界利益)とは

貢献利益と限界利益

“損益分岐点”を求める際に出てくるこの”限界利益””貢献利益”という言葉。

限界利益 = 貢献利益 = 売上高 − 変動費

つまり、『限界利益』と『貢献利益』は、同じ意味であると理解してください。

例えば、売上高100,000円で、仕入れをするのに40,000円(変動費)かかったとします。

すると、

限界利益 = 貢献利益 = 100,000円 − 40,000円 = 60,000円

この60,000円が限界利益であり、貢献利益です。

ごく稀にですが、両者を違う意味で使われる場合がありますが、殆どありません。

その場合、

  • 限界利益 = 売上高 − 変動費
  • 貢献利益 = 売上高 − 変動費 − 固定費

を示しますが、こちらは、あまり考える必要はありません。

この変動費と固定費とは一体何なのでしょうか?

以前、「損益分岐点の記事」でも触れましたが、簡単に振り返ります。

変動費

材料費や売上原価(仕入れ費用)のように、モノを製造したり、販売したりして、その製造数量や仕入れ数量が増えれば増えるほど、比例して増える費用を言います。

大量に製造すれば、製造するためのお金(材料費や部品類)がかかりますし、モノを販売しようと仕入れをすると仕入れする数量分お金がかかりますよね?

固定費

従業員の給料、人件費、保険料、広告宣伝費、減価償却費のように、モノの製造や販売の増減に関係なく、必ず一定額が発生する費用を言います。つまり、全く売上がなくても支払わなくてはいけない費用です。
また、限界利益率(貢献利益率)についてもこちらに詳細がありますので、ご参考ください。

『限界利益』詳細 → 損益分岐点の計算方法を簡単理解。簿記にも商品販売にも役立てよう

より簡単に覚えておくには、

貢献利益(限界利益) = 粗利益 = 売上総利益

と捉えておきましょう。この『限界利益』や『貢献利益』は、『損益分岐点』以外では、さほど耳にする言葉では、ありません。

さて、この「売上総利益」。損益計算書などに触れていないとわからないかもしれません。

『売上総利益』詳細 → 損益計算書(P/L)を簡単にわかりやすく見方、読み方を確認してみる

売上総利益率とは

売上総利益

売上総利益とは、

売上総利益 = 売上高 − 売上原価(製造原価/仕入原価)

で示すことができます。

これは、損益計算書で主に目にする言葉です。

『損益計算書』『売上原価』詳細 →損益計算書(P/L)を簡単にわかりやすく見方、読み方を確認してみる

そして、この売上総利益を”%(パーセント)”にしたものが、『売上総利益率』です。しかし、この言葉があまり使われることはないです。なぜなら。。。

売上総利益率

売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高

の計算式になります。

これっ!何だか見たり、聞いたりしたことありませんか?

『粗利率』であり、『マージン率』、『限界利益率』、『貢献利益率』

です。

粗利率 = マージン率 = 売上総利益率 = 限界利益率(貢献利益率)

つまり、このようになります。

先ほど限界利益(貢献利益)についての”率”については扱いませんでした。この限界利益率(貢献利益率)も結局上記になります。

『粗利率』詳細 → 利益率や粗利益や原価、値入。”率”計算方法や違いを簡単に理解と把握。

『マージン』詳細 → マージンと粗利益とは違う意味なのか、率の計算方法はどうなってる

まとめ

様々な”率””利益”やそれに関する”言葉”がありますが、企業や業種により使われる”言葉”が違います。そして、それらを把握するためには、損益計算書の構造から始めると理解が深まります。

各リンクを参考にしながら、ぜひ役立ててください。

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