カタカナビジネス用語。意識高い系と称される言葉の意味を整理する
投稿日:2018年3月6日 更新日:
様々な場面で遭遇するビジネス用語。そして時にカタカナのビジネス用語には。『意識高い系』と称される。それは、どちらかと言えば、ネガティブかつ皮肉交じりに揶揄される形で用いられますが、本来、”意識が高い”というのは、全くもって悪いことではないはずです。これら俗に言う意識高い系ビジネス用語においては、業界専門用語に近く、広く一般に浸透していないともっと”わかりやすく”などの感情が芽生えるため、その分皮肉られてしまいます。もちろん、使う人、場所にもよるでしょう。これらビジネス用語のカタカナ達、”意識高い系用語”は、殆どが英語の日本語訳が基本にあり、カタカナビジネス用語として使用されています。どんなものがあって、意味は何なのか。ここでは、”使う人””使う場所”云々ではなく、用語の意味をご紹介していきます。
『意識高い系』とは
一旦、この『意識高い系』の意味について、サクッと触れておきます。
意識高い系(いしきたかいけい)とは、自分を過剰に演出する(言い換えれば、大言壮語を吐く)が中身が伴っていない若者、前向きすぎて空回りしている若者、インターネットにおいて自分の経歴・人脈を演出し自己アピールを絶やさない人などを意味する俗称である。
大学生に対して使用されることが多いが、ビジネスマンや主婦など若者・学生以外の層に対して使用される場合もある。「意識高い系」の特徴として、自己啓発(ボランティア・政治)活動や人脈のアピール、あえて流行のカタカナ語を使うなどが挙げられる。嘲笑の対象として「意識高い系(笑)」と表記されることもある。
なお、英語には比較的似た意味である「ワナビー」という言葉が存在する。
出典:Wikipedia
それでは、カタカナビジネス用語を整理していきましょう。
ASAP(エーエスエーピー)
“As Soon As Possible(アズスーンアズポッシブル)”の略。
“できる限り早く”の意。
“なる早で”、”急ぎで”と同義です。
FYI(エフワイアイ)
“For Your Information(フォーユアインフォメーション)”の略。
“ご参考までに”の意。
これは、会話というよりは、メールでのやり取りで使用されることの多い略語です。
NR(エヌアール)
“No Return(ノーリターン)”の略。
“直帰します”の意。
英語での本来の意味は、”返品不可”や”引き返せない状況”を表します。和製英語といっても良いかもしれません。
Agree(アグリー)
“アグリー”と読みます。
“賛成する””合意、同意する””支持する””承知する”の意。
英語の日本語訳と同じです。” I agree “で”賛成です””同感です””そうですよね”などを表します。
Out Sourcing(アウトソーシング)
“アウトソーシング”と読みます。
“外注””外部委託”の意。
英語の日本語訳と同じです。ビジネスでの業務や一部を他者に任せることを言います。
Appointment(アポイントメント)
“アポイントメント”と読みます。
“日時や場所を決めて会う約束”をすることです。
“アポ”と略されます。「アポとって!」や「アポとっているので!」と使われます。そして、英語の日本語訳と同じです。
Alliance(アライアンス)
“アライアンス”と読みます。
“提携””同盟””連合”の意。英語と同様の訳です。
ビジネスでは、”契約をとってくる”の意味であったり、”○社とアライアンスを組む”などと使われます。
Agenda(アジェンダ)
“アジェンダ”と読みます。
“議題”の意。英語と同様の訳です。
一時期、国のお偉いさん達がよく口にしていました。主に”議題”で使われますが、”予定”や”計画”という意味で使っている方もいるので、注意が必要です。
Assign(アサイン)
“アサイン”と読みます。
“任命する””割り当てる”の意。英語と同様の訳です。
「チームリーダーにアサインされた!」このような感じです。
Influenser(インフルエンサー)
“インフルエンサー”と読みます。
“影響力のある人”の意・英語と同様の訳です。
近年では、主にSNSで発信力や拡散能力の高い有名な人を指し、それらの人物を活用して、モノやサービスを宣伝することを“インフルエンサーマーケティング”といいます。
また、某アイドルグループもこれをタイトルにした曲を歌っており、意味を知って聞くとまた少し違う印象を持つかもしれません。
Issue(イシュー)
“イシュー”と読みます。
“問題”や”問題点”の意。英語と同様の訳ですが、動詞で使われる場合は、出版する、刊行するの意味になります。
Innovation(イノベーション)
“イノベーション”と読みます。
“革新””刷新”の意。英語と同様の訳。
主に”技術革新”などの意味で使われます。”〜innovation”と謳うCMなどもありますよね。
『イノベーション』詳細 → イノベーションについて
Initiativa(イニシアチブ)
“イニシアチブ”と読みます。
“主導権”の意。英語と同様の訳。
“交渉のイニシアチブを握る”などと使われます。
Win-Win(ウィンウィン)
“ウィンウィン”と読みます。
“双方の共に利益になる”の意。英語と同様の訳。
「うちとあそこはウィンウィンだから。」などと使われます。
Evidence(エビデンス)
“エビデンス”と読みます。
“証拠””議事録”の意。英語と同様の訳。
例えば、電話でのやり取りだと後々、言った言わないになってしまうため、メールで内容を残して、”エビデンスをとっておく”などと使います。
Ground Design(グランドデザイン)
“グランドデザイン”と読みます。
“壮大な構想や計画”を意味します。英語と同様の訳。
Creativity(クリエイティビティ)
“クリエイティビティ”と読みます。
“創造性””独創力”の意。英語と同様の訳。
クリエイティビティな仕事などの使われ方です。
Consensus(コンセンサス)
“コンセンサス”と読みます。
“総意””合意”の意。英語と同様の訳。
アグリー(agree)とほとんど変わりませんが、他者に対しては、”コンセンサス”。自分自身に対しては、”アグリー”を使うことが多くあります。
Cost Performance(コストパフォーマンス)
“コストパフォーマンス”と読みます。
“費用対効果”の意。英語の日本語訳では、費用、効果分析となります。
通称“コスパ”です。ビジネスでなくても普段の生活でも使っている方は多いのではないでしょうか。
Commitment(コミットメント)
“コミットメント”と読みます。
“委任””約束”の意。英語と同様の訳。
“コミット”のみでの使われ方が多いです。CMでおなじみの”結果にコミットする”のコミットです。
『コミットする』詳細 → 結果にコミットするってどういう意味?
Conversion(コンバージョン)
“コンバージョン”と読みます。
“顧客などを最終的獲得した成果”の意。英語では、変更や転換を意味します。
主にマーケティング用語として使われます。最終的な成果を何にするかによって”コンバージョン”が異なります。例えば、Web上では、自社のHP(ホームページ)からお客様から資料請求があれば、それをコンバージョンとするなどが考えられます。
Suggestion(サジェスチョン)
“サジェスチョン”と読みます。
“示唆”の意。英語では、提言、提案を意味します。
Share(シェア)
“シェア”と読みます。
“共有””割合”の意。英語と同様の訳。
食べ物をシェアするやシェアハウス、情報をシェア。この場合は、共有の意味ですが、市場シェアとした場合は、割合の意味になります。
Synergy(シナジー)
“シナジー”と読みます。
“相乗効果”の意。英語と同様の訳。
“シナジー効果”と使われます。
Just Idea(ジャストアイデア)
“ジャストアイデア”と読みます。
“思いつきの案”の意。英語で正式には”Just an idea”で”ただの思いつき””一つの提案だよ”の訳になります。
何か策を練っている会話の最中にふと思いついた時などに”ジャストアイデアだけど〜”のように使います。
Scheme(スキーム)
“スキーム”と読みます。
“計画”の意。英語と同様の訳。
特に“枠組み”や”深く練られた”計画を表します。
Spec(スペック)
“スペック”と読みます。
“性能”の意。英語” Specification”の略。仕様を意味します。
パソコンのスペックなどと使いますが、人にも使ったりしてませんか?
Stakeholder(ステークスホルダー)
“ステークホルダー”と読みます。
“利害関係者”の意。英語と同様の訳。
複数形となり、”ステークスホルダー”という方もいます。誰にとってのステークホルダーであるかで指している対象が違います。例えば、企業であれば、株主かもしれませんし、お客様であるかもしれません。会話の内容から判断する必要があります。
Tight(タイト)
“タイト”と読みます。
“きつい””堅い”の意。英語と同様の訳。
「スケジュールがタイトだから〜」と使ったりします。
Task(タスク)
“タスク”と読みます。
“仕事””業務”の意。英語と同様の訳。
“マルチタスク”というのは、複数の仕事を同時にこなすことを言います。単体の仕事をあえて”シングルタスク”という方もいます。
Decision(ディシジョン)
“ディシジョン”と読みます。
“決定””決断”の意。英語と同様の訳。
誰か人が決定を下したり、決断した際に”フィックス”ではなく、”ディシジョン”が使われることが多いです。
Default(デフォルト)
“デフォルト”と読みます。
“標準””基本”の意。英語では”債務不履行”を意味します。
デフォルトで装備といえば、標準で初めから装備していることを示します。
Negotiation(ネゴシエーション)
“ネゴシエーション”と読みます。
“交渉””折衝”の意。英語と同様の訳。
ネゴるなんていう方もいます。
Priority(プライオリティ)
“プライオリティ”と読みます。
“優先”の意。英語と同様の訳。
仕事にプライオリティをつけて効率良くと言いますが、優先や優先順位の意味です。そして、公共交通機関でも優先席と言われるとこには、”priority seat”と表記してありますよね。
Fix(フィックス)
“フィックス”と読みます。
“決定する””固定する”の意。英語と同様の訳。
ある案件が決定した場合など”フィックスした”と使います。
Brush Up(ブラッシュアップ)
“ブラッシュアップ”と読みます。
“磨きをかける”の意。英語では、”身なりを整える””勉強をやり直す”のような意味も表します。
「この案をブラッシュアップする」となった場合、余計なものをより削ぎ落として洗礼されたものにする。こんなイメージなります。
Brainstorming(ブレインストーミング)
“ブレインストーミング”と読みます。
“アイデアを否定せず、自由に考えを出し合う発想方法”の意。英語と同様の訳。
例え思いつきであっても“否定しない”というのが重要です。会議などにより、問題解決を図っていく方法のことです。
Benefit(ベネフィット)
“ベネフィット”と読みます。
“利益”の意。英語と同様の訳。
同じ”利益”という意味では、『Profit/プロフィット』があります。この二つは、人への利益(人の為になる利益)か金銭的な利益かでどちらを使うかが変わります。ベネフィットは前者です。
「弊社のジムに通うことで、必ずあなたにベネフィットを与えます。」のような使い方です。
『Profit詳細』→ ベネフィットとプロフィットについて
Pending(ペンディング)
“ペンディング”と読みます。
“保留””未決定”の意。英語と同様の訳。
「その案はペンディング中です」と使ったりします。
Matter(マター)
“マター”と読みます。
“問題””事柄”の意。英語と同様の訳。
役職の後につけて、”部長マターだから”などと使いますが、部長の問題というよりは、書類などに対して、役職の人に押印を要する際に、”部長の了承が必要”といったニュアンスで使われます。しかし、〜の仕事という誰が担当なのかを示す言葉が大前提です。
Manifesto(マニフェスト)
“マニフェスト”と読みます。
“宣言”の意。英語と同様の訳。
選挙の際によく耳にする”マニフェスト”です。”公約”の意味で浸透していますが、政策に対しての宣言もしくは宣言書というのが正しい意味です。
Manpower(マンパワー)
“マンパワー”と読みます。
“人的資源””労働力”の意。英語と同様の訳。
Method(メソッド)
“メソッド”と読みます。
“方法””方式””順序”の意。英語と同様の訳。
“○○メソッド”なんて見たことないでしょうか。
Reschedule(リスケジュール)
“リスケジュール”と読みます。
“計画や予定を変更する”の意。英語と同様の訳。
通称“リスケ”です。何らかの理由で予定日時の変更をする時に使います。
Resource(リソース)
“リソース”と読みます。
“資源”の意。英語と同様の訳。
この“資源”は、金銭面、システム面、環境面などあらゆるものを指します。その為、会話の内容で捉えていく必要があります。
Literacy(リテラシー)
“リテラシー”と読みます。
“読み書き能力”の意。英語と同様の訳。
ITリテラシーなどと呼ばれますが、“取捨選択能力””正しく使いこなす能力”の意味で使われています。
まとめ
様々な用語を拾ってみましたが、あなたが探している用語はありましたでしょうか。
そのほかTBC/TBAなど知っておきたい略もあります。
英語ベースでの使われ方が多いので、英語の意味が理解できれば、示す意味を導き出すことができます。そして、広く一般に浸透すれば”意識高い系”なんてことにもならないかもしれませんね。
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