客単価の計算と客単価をあげる方法、下がる原因、平均の意味を整理
投稿日:2018年3月23日 更新日:
“客単価”って何?”平均客単価”または”客単価平均”とも呼ばれ、アパレルや飲食店の小売業からネット販売までモノやサービスの販売現場で使用される基本的指標です。英語で大きな意味で言うのなら”Per Customer/パーカスタマー”です。そして良く言われるのが”売上を伸ばすには、客単価をあげる”これは、どんな意味でしょうか。まずは、この”客単価”の意味、計算方法から確認していきます。計算式の最も単純な求め方は、例えば、ある日、売上高が10万円あり、購入に至ったお客様の数が100人だった場合、客単価は1,000円になります。このようなことからみていきます。
『客単価』とは何?
『客単価』とは、
“お客様1人が、1回購入で支払う総額”
のことで、ここでのポイントは、
“購入に至ってないお客様は、含まれない”
ことです。
例えば、“来店しただけのお客様で何も買わなかった”がこれに当たります。つまり“来店客数”ではないということです。
また、“購入に至ったお客様”が、
“客数”
となります。
同じお客様が、その”日”でも”月”でも”年”でも1回購入したお客様が、当日再度お店を訪れ、違う商品を購入した場合など、複数回購入した場合もその分”客数”上乗せされ、含まれます。
『客単価』の計算式
最も単純な計算式は、
客単価 = 売上高 ÷ 客数
一般的に多く採用されている簡単な計算方法です。
売上高は、“年/月/日”、客数も“年/月/日”どれでも当てはめることができるので、求めたい期間に合わせて計算しましょう。
これは、先例で使った計算式になります。(ある日10万円の売上高、客数100人の時、客単価は1,000円)
客単価をあげる方法
“客単価をあげないと!”と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。つまり、客単価をあげるということは、当然、売上高も上がるはずです。ここでは、様々な計算式を細かく分解して、どのような方法があるのかを導いていきます。
売上高の計算式
売上高の計算式。。。思いつきますか?日々の売上高、月や年の売上高を聞いていても実際どうなっているか意識しないですよね。
売上高 = 客数 x 客単価
ここでも先例を使ってみます。
売上高 = 100人 x 1,000円 = 100,000円
同じになりました。
では、仮に客数が200人になった場合と客単価が1,500円になった場合を考えてみます。
売上高 = 200人 x 1,000円 = 200,000円
売上高 = 100人 x 1,500円 = 150,000円
売上高が上昇しています。ここから導かれるのは、
売上高を今より上げるための方法は、
- 客数を上げる
- 客単価を上げる
この2つがあります。
端的に書いてしまいましたが、どう考えますか?
客数の計算式
客数 = 来店客数 x 購入率
『購入率』というのは、来店したお客様の中で何人が購入したかの比率です。
例えば、200人の来店のうち100人が何かしらのモノやサービスを購入した(2人に1人が購入している)場合、
購入率 = 100人 ÷ 200人 = 0.5(50%)
となります。
購入率 = 客数 ÷ 来店客数
客数の計算式が変化しただけなので当たり前ですが、なぜこれを知る必要があるかというと、
- 時間帯での来店客数と客数の変化を認識する
- スタッフの人数や商品展開の見直しを図る
例えば、100人の来店客数があるのに客数が0(ゼロ)人であった場合、 スタッフ分の費用だけがかかり、売上を圧迫します。そして、本来、売れる商品が売れていないのではなど原因も考えられます。
客単価の計算式
先ほど客単価の計算式は、
客単価 = 売上高 ÷ 客数
と説明しました。ここでは更に細かくしていきます。
客単価 = 一人当たりの購入点数 x 一人当たりの商品単価
それぞれ、平均購入点数、平均商品単価とも呼ばれます。この”平均”は、一般的な平均を意味しています。
平均購入点数 = 購入点数 ÷ 客数
平均商品単価 = 売上高 ÷ 客数
計算式を見て「あれ!?」となった方は鋭いです。この平均商品単価は、つまるところ一般的な”客単価”と呼ばれているものです。考えれば計算式が変化しているだけなので当然です。
客単価を上げるということは、商品単価は、ほとんどの場合、業種、業態によって決まってきます。ということは、
“購入点数を上げる対策が必要”
となります。
何がいいたいかと言えば、これによって最初に説明した証明しているのです。基本的には、売上高をあげなくてはならないことになり、その方法として、
客単価を上げる = 売上高が上がる
客数が上がる = 購入点数が上がる
- 客数を上げる
- 客単価を上げる
この2つへの対策、戦略を練る必要があることがわかります。
客単価が下がる原因
この最たる要因が、
“値下げ”
です。
上記で客単価を上げる重要性を説明をしましたが、割引セールやクーポン使用により、この”値下げ”をしてしまうと、
- 客数が増加
- 購入点数の増加
は、確実に見込めます。ただし、
“客単価は確実に下がる”
現状維持を図るためには、通常以上の客数が必要になり、逆を言えば、通常以上の客数で現状維持なら、客単価を上げるには、”さらなる客数の増加”が必要になります。アパレルのセールで見受けるのは、この状況です。アパレルでは、いかに売価(プロパー)で売ることが大切となります。
これにより、スタッフが疲れサービスの質が落ち、客単価が上がらずと良いことがありません。細かく言えば、いつもより多くのスタッフを配置するのが通常なので、”人件費”がかかり、売上を圧迫します。
『人件費』→ 人件費率と労働分配率
正直、”値下げ”はいつでも出来ますので、最終手段として捉えておきましょう。
まとめ
飲食店では、少し違う目線が必要です。詳細は、在庫回転率で確認して欲しいのですが、客単価を上げることができれば、回転率をあげなくても利益が出るようになります。この在庫回転率は、小売店でも重要項目です。
また、結局のところ、”売上高を上げる”ということに直結するため、そのための利益率への理解で売上高の要素を知ることも必要となります。
“客単価”についてピックアップしてきましたが、そこには、様々な要素を含んでいます。まずは、言葉の意味と構成要素を覚えるのがまずは一歩です。
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