5つの圧力と3つの競争戦略要因の基礎。ファイブフォース分析(5F)
投稿日:2017年11月7日 更新日:
ファイブフォース分析は、業界に影響する5つ(five)の圧力(forces)から収益性と収益構造から自社の競争戦略を分析するためのフレームワーク(枠組み)で、アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱した分析方法です。新規参入者の脅威、代替製品・サービスの脅威、売り手の脅威、買い手の交渉力、競合他社との関係の5つで、新規参入を考えたり、資源投資を何に優先するかなどの判断をしていきます。わからなければ何もならないので、簡単に説明していきます。
5F分析の5つの要因
- 新規参入者の脅威
- 代替製品・代替サービスの脅威
- 売り手(サプライヤー/供給者)の交渉力
- 買い手(カスタマー/顧客)の交渉力
- 競合他社との関係
これら5つの要因を分析・整理して、
- 自社が有利に参入できる業界はどこか(市場全体の立ち位置)
- 該当する業界で競争上の立場となるのか(業界での立ち位置)
これらが明確になります。
それぞれの項目の中身・内容はどのようなものなのでしょうか?
5つの要素の中身
新規参入者の脅威
新規参入が容易であればあるほど、熾烈な競争が行われていて、シェアの獲得や高い収益性を維持するのが難しくなってきます。
参入が容易というのは、初期投資が小さく、顧客や消費者(お客様)が乗り換えたり、他社に買い替えたりするハードルが低い製品・サービスであるほど、新規参入の壁は低くなり、参入しやすくなるということです。
逆に、新規参入にあたり、法律の制限や初期投資の高い壁があると、新規参入を行いにくいですし、新規参入されにくいともなります。
新規参入が容易 = 新規参入者の脅威が高まる(新規参入される恐れが高い)
代替製品・代替サービスの脅威
既存の製品より価格や性能(コストパフォーマンス)が良い、代替製品(サービス)があると既存製品を扱う企業の製品価格が下がり、収益性が減少する恐れがあります。
代替製品・代替サービスのコストパフォーマンスが高く、顧客や消費者(お客様)が乗り換え、他社に買い替えのハードルが低ければ、代替製品(サービス)の脅威は高まります。
例えば、単純に自社製品と同じ他社製品があり、用途も機能も同様なときは、価格競争になって、他社に買い換えるハードルも低いから脅威が高まるといえます。そのため、自社も製品価格を下げたりしなくてはいけなくなり、結果、収益も減るという脅威です。
売り手(サプライヤー/供給者)の交渉力
売り手とは、販売する側つまりは、材料や製品・サービスを供給する側のことです。
製品・サービスの需要(買い手)が多くいるのに供給企業が少数であったり、人気製品・サービスを殆ど独占的に取り扱っている場合などには、売り手の交渉力が強くなり、値段交渉などを強気でできる力が高まります。
就職における、売り手市場、買い手市場にも似た概念です。
買い手(カスタマー/顧客)の交渉力
買い手とは、購入する側つまりは、製品・サービスを購入または利用する需要側のことです。
製品・サービスの需要(買い手)が少ない上に供給企業が多数であったり、人気製品・サービスが殆どない場合などには、買い手の交渉力が強くなり、値段交渉などは買い手ペースとなり、収益を得るのが難しくなります。
競合他社との関係
競合他社が多く存在する場合、販売、価格など様々な点で常に競争に晒されることとなります。そのため、収益性が低くなる恐れがあります。
番外編(余談):3つの競争戦略
5F分析を提唱したM・ポーターは、企業が取ることのできる競争戦略についても3つに分類しています。
- コストリーダーシップ戦略:市場で最大シェアを持つ企業が取るべき戦略。競合他社が提供する製品・サービスと同等のモノをより安く提供して、市場シェアの維持を測る方法です。
- 差別化戦略:市場で2番手、3番手が取るべき戦略。製品・サービスの性能、質を特にトップシェア企業(競合他社)と差別化することで競争を優位にしようとする方法です。
- 集中戦略:市場全体ではなく、限定的な市場(地域など)に対象を絞る戦略。トップシェア企業や大手企業が対象としない狭い市場(領域)に特化して、そこで競合他社より優位に立とうとする方法です。
まとめ
5つの要素をみてきました。これらは
- どの業者や企業に変更するにしても壁が低い(変更のハードルが低い)
- 競合が多数存在するのか否か
において、収益性を保てるのか、現状やこの先に手をつけようとする製品・サービスの状況を捉える分析ができます。
しかし、現在では、全てのスピードが早くなっているため、これのみの分析では足らなくなっているため、
など、他の分析と併用して考えるのが良いです。
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