歳末や年末の違い。年度末とは何が違うのか、意味や時期を知ろう。
投稿日:2018年1月7日 更新日:
歳末セールに助け合い、歳末の候(さいまつのこう)。年末年始に年末商戦。意味は違うのでしょうか。それぞれ言葉を入れ換えても通じるように思うのですが、時期で使い分けしているのでしょうか?更には”年度末”という言葉まであります。これらを簡単に整理してみます。英語では、どれも”The year end(イヤーエンド)”もしくは、”The end of the year(エンドオブザイヤー)”となります。余計にわからなくなりますが、確認しながら早速みていきましょう。
歳末と年末
意味
- 歳末(さいまつ):年の暮れ。年の末。年末。歳暮(せいぼ)。
- 年末:年の暮れ。年の末。歳末。
正直、全く同じですね。
歳末は、”年末”のことで、年末は、”歳末”のことです。
時期
どちらも『12月下旬』を指しています。12月下旬というのは、『20日頃〜』を呼びます。
“年末の候(こう)””歳末の候(こう)”という季節や時期の挨拶があり、”候(こう)”とは、まさに、季節、時期のことをいい、これらは、年の暮れの挨拶言葉なのです。
“年末”は文字通りの”年の末”ですが、この”歳”は、何でしょうか?
なぜ、同じ意味なのに使い方が分かれているのでしょうか?
歳末と年末の文字の違いは?
実は、『年』と『歳』どちらも『とし』と読みます。しかし、
- 年数の単位 →『年(ねん)』
- 年齢の単位 →『歳(さい)』
使い方として、きちんと違いがあります。
この”歳”の使い方には、諸説ありますが、現在は年齢を数える際には、自身の誕生日を超えて初めて1つ加える『満年齢』が主流です。一方その昔は、1月1日を迎えると全員が1つ年齢を加える『数え年』という考え方がありました。
元々、その年(年数)が終わりを迎える=年末。数え年の考え方から、その歳(年齢)が終わる=歳末。そのように考えられていたのが、現代まで残っているということです。
そして、この”歳”には、“時の流れ”という時間経過を含んだ言葉となるため、より日本人には、味わいが深くなるのかもしれませんね。
歳末と年末の言葉たち
ここまで、意味を説明してきましたが、使用されている言葉をみていきます。
- 歳末商戦 = 年末商戦
- 歳末セール = 年末セール
- 歳をとる = 年をとる
どちらも正解!となります。しかし、年末年始とあるように”年末”には、”年始”という対義語があります。”歳末”の対義語は。。。”歳旦(さいたん)”といいます。つまりは、”元旦””1月1日”を示すのですが、歳末歳旦なんて言葉は聞かないですね。
余談ですが、”年齢”と”年令”、”歳”と”才”がありますが、”年令”と”才”は代用漢字として使用されており、正式には”年齢”と”歳”を使用します。
歳末助け合い
簡単にいえば、赤い羽根募金です。毎月12月にNHKと共催して行う募金運動のことです。
「地域歳末たすけあい運動」は、共同募金運動の一環として地域住民やボランティア、民生委員・児童委員、社会福祉施設、社会福祉協議会等の関係機関・団体の協力のもと、新たな年を迎える時期に、支援を必要とする人たちが地域で安心して暮らすことができるよう、住民の参加や理解を得てさまざまな福祉活動を重点的に展開するものです。
出典:赤い羽根共同募金(http://www.akaihane.or.jp/date/date06.html)
年度末とは
さて、年度末はどう違うのでしょうか?皆さんは”年度末”という言葉で何を思い浮かべますでしょうか?
わかりやすいのは、”会計期間”における”年度末”つまりは、”決算”です。これを”歳末”とか””年末”なんて言わないですよね。
『決算』詳細 → 決算書とは何か。見方、作り方、読み方、提出前にまずは基本から
つまり、『年度末』とは、「ある区切った一定期間(1年間)の最後」のことを示します。
まとめ
“歳末””年末”は、同義を意味していて、”年度末”だけは若干違っていることをみてきました。セールでは、歳末セールが多く使われていますが、これは、この言葉に”時の流れ”が含まれていることが加味されているといえます。
何となくの雰囲気で理解していたものをこのように整理するとしっかりとした知識にできますので、雑学として覚えておくのも良いでしょう。
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