デフレ/インフレ意味はどっちと覚え方。スタグフレーションの違い
投稿日:2018年1月8日 更新日:
インフレデフレ。覚えたはずだけど、どっちがどっちの意味で何が違っただろう。と自信満々なはずだったけど、不安に。簡単なわかりやすく説明する例や覚え方を知っておけば、それらは解消されます。どんな原因でどんな事が起こってどうなっていくのか。英語ではInflation(インフレーション)、Deflation(デフレーション/収縮)、Stagnation(スタグネーション/停滞)とInflation(インフレーション/膨張)を合わせたStagflation(スタグフレーション)となります。それではそれぞれの意味をみていきましょう。
インフレーション(Inflation)
物価が上昇して、お金の価値が下がっている状態のこと。
例えば、
リンゴを1個100円で売ったとします。
これだとお客様が殺到してしまい、リンゴの数量が足りなくなってしまいそうです。
そこでリンゴを1個200円にすることにしました。
ここから読み取れるのは、
リンゴ1個に対して100円玉が2枚必要になったのです。今まで100円で1個買えていたのに。。です。100円で考えると値上げした時にはリンゴ半分しか買えなくなります。この状況を「払う金額が増えたから、お金も増えてる」ではなく、『お金の価値』が下がった状態と呼ぶのです。
つまり、お客様が欲しい数量(需要)より、モノの数量(供給)が少なくなると、モノの値段は上り(物価上昇)、お金の価値が下がります。
これを『インフレーション(インフレ)』といいます。
でも、「物価が高くなって何だか嫌だな。なかなか買えなくなるのでは。」となるのは、当然の感情ですが、イイ事もあるのです。
インフレの良い点
物価上昇 → 企業やお店の利益が増える → 働いている人のお給料が上がる → お給料が上がれば、たくさんお金を使って“消費”が進む → お金が回るので“経済発展”していく
“バブル”といわれる時代は、まさに”インフレ”の状態でした。
インフレの原因
- 物価上昇:野菜の不作やモノの製造費用が上がり、必然的にモノの値段が上昇する。(cost push inflation/コストプッシュインフレーション) *cost(費用)push(押し上げる)
- 経済成長:モノがよく売れるとモノを買いたい人たち(需要)より数量(供給)が不足する。それにより、モノの値段が上昇する。(demand pull inflation/ディマンドプルインフレーション) *demand(需要)pull(引き寄せる)
比較的”好景気”が原因の一つといえます。
ハイパーインフレ
“好景気”が原因の一つといいましたが、行き過ぎてしまうと困ったことになってしまうのです。
先ほどのリンゴ1個100円が、1,000円になったとします。
“物価上昇”が止まらず値段は10倍、それに伴って、100円の時なら10個買えていた”お金の価値”も1/10まで下がってしまいました。
ここまで来てしまうと、「欲しいモノが買えない。」状態になり、モノが売れない → 企業やお店の利益が下がり、モノを作れない → “消費”が減る → お金が回らない → 経済破綻
と繋がっていってしまいます。これが「ハイパーインフレ」です。
このように“インフレ”が急激に進むと”モノ”は売れなくなり、お給料が上がることもないので、お客様(消費者)の生活も苦しくなります。節約しようと益々モノは売れなくなります。
すると、企業やお店はモノを売るためどうしようと考えますか?
そうです。“値下げ”を考えます。
デフレーション(Deflation)
物価が下落して、お金の価値が上がっている状態のこと。
引き続き、リンゴで考えていきます。
1個100円だったリンゴが”インフレが急激に進んで”売れないので1個50円にしました。
- 1個100円で売っていたリンゴが、1個50円になった(物価下落)。
- お金100円で1個買えていたリンゴが、100円で2個買えるようになった(お金の価値が上がる)。
物価は下落していますが、100円で1個だったのが2個買えるのでお金の”価値”は、上がっていますよね。
つまり、お客様(消費者)が買い控えをする→モノは売れない→売り手は少しでもやすく売るため、値段を下げる→モノに対してのお金の価値は上がる
これを『デフレーション(デフレ)』といいます。
一見すると、お得そうです。どうですか?
『円安』『円高』にも似てます。
詳細→円安円高の意味や違いをわかりやすく覚え、仕組みや基準は何だろう
デフレの良い点
物価下落 → モノが安く買えるようになり“消費”が進む → 企業やお店の利益が増える → 働いている人のお給料が上がる → お給料が上がれば、たくさんお金を使ってさらに“消費”が進む → お金が回るので”経済発展”していく
あれっ?!何だか良くないですか?インフレと同様のように思えます。
でも、”インフレ”も”デフレ”もこれって、「働いている人のお給料が、同様に上がっていけば」の話ですよね。
現実としては、どうでしょうか?
デフレスパイラル
初めは、「値下がった!安い!」と喜ばしく、”消費”が進んで、お金は回るかもしれません。しかし、人間、安いものに慣れてくると“もっと安いもの”を求めるようになります。
もっと安いものを求める→モノの売り数量は伸びても企業やお店の利益が減る→利益が少ないからお給料は上がらない→モノが売れない→安くする→もっと安いものを求める→買い控えが生じる→安くする→利益が減る→買い控え→安くする……
キリがなく進んでいってしまいます。
まさしく悪循環となります。これが『デフレスパイラル』です。
*Deflation(デフレーション) Spiral(スパイラル/渦巻き)
インフレ、デフレ覚え方
現状がインフレなのか、デフレなのかを確認する方法にGDPを用いる事ができます。これは、「GDPデフレーター」といいます。
『GDPデフレーター』参考→GDPの名目/実質や経済成長率の計算と違い。意味使い分けてる。
ここまでを簡単にまとめます。
- インフレ:物価が上昇して、お金の価値が下がっている状態
- デフレ:物価が下落して、お金の価値が上がっている状態
覚え方としては、”物価”を基準にすると分かりやすいです。
Inflation(インフレーション)は、[膨張]。
Deflation(デフレーション)は、[収縮]。
それぞれ英語の日本語訳はこのようになります。
モノが膨らんで(in/インして)、マネーゲーム(money下)。モノが萎んで(下落/しぼんデ)、真似上等(money上)。
意味はないですが、モノを基本に膨らむのか、萎むのかを覚え、お金はその逆をイメージできれば良いです。
スタグフレーション(Stagflation)
スタグフレーションとは、英語のStagnation(スタグネイション/停滞)とInflation(インフレーション/膨張)の合成語です。
物価の上昇(インフレ)と経済の停滞(スタグネイション)が同時に併存していることを示しています。
お客様(消費者)の買い控え(モノが売れない)という停滞があるのに、モノ不足により、物価上昇(インフレ)の状態になることです。モノが売れないから今までの理論から言えば、”値下げ”して安くするんでしたよね。
まとめ
インフレもデフレもそれぞれの状態が“2年間続くことで”初めてどちらなのかが、判断されます。そして、GDPも密接に関係しているので、参考に見ていくとさらに深みが増します。
- インフレ:物価 > お金の価値
- デフレ:物価 < お金の価値
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