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GDP(名目/実質)とは何と違いや意味、経済成長率の計算を知る

投稿日:2018年1月5日 更新日:

GDPとは、国内総生産のことで、英語では、Gross Domestic Product(グロスドメスティックプロダクト)の略です。国内で一定期間内(1年間が一般的)に生み出されたモノやサービスの付加価値の合計額を表します。そして、インフレ、デフレと密接な関係があります。しかし、これだけでは意味もなかなか把握できません。また、GDPデフレーター、名目/実質GDPなどの言葉があるため、ここでは、簡単にわかりやすく一つ一つ意味や計算方法を捉えて説明していきます。

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GDPとは

GDP = 国内総生産 

    = Gross Domestic Product (グロスドメスティックプロダクト)

それぞれの英語を日本語訳にすると、

  • G(Gross):総額/総計
  • D(Domestic):国内
  • P(Product):製品/生産物

となり、それぞれの頭文字で”GDP”となっています。

GDPは、国内で一定期間内(1年間が一般的)に生み出したモノやサービスの付加価値の合計額を表す指標です。

『付加価値の合計額』って何でしょうか?

これは、『日本国内で日本人が生み出した”儲け”の合計額』を指します。

例えば、100円で仕入れたモノを200円でお客様に売りました。

この場合の儲けは、200円(販売額)−100円(仕入額) = 100円(お店の儲け)

次に、製品を作るのに150円かかり、300円でお客様に売りました。

この場合の儲けは、300円(販売額)− 150円(製造費) = 150円(製造会社の儲け)

これらの100円と150円のことを『付加価値』といいます。そして、合計額である250円(100円+150円)が『日本国内で日本人が生み出した”儲け”の合計額』、つまり『GDP』となります。

『付加価値』詳細→人件費率より労働分配率や人時生産性、売上高を考えてみては如何。

『GDP』は何に関係があるの?

『経済成長率』という言葉を知っていますか?

GDPは、儲けの合計です。GDPの伸び率が経済成長率を表しており、GDPが増えればそれはプラスになり、減ればマイナスになります。

つまり、GDPは、その国がどれくらい成長しているかの指標の一つとなるのです。

経済成長率は、後に説明しますが、それに関係するこのGDPには2種類あり、それが、

  • 名目GDP
  • 実質GDP

です。

二ユースや新聞などでは、「日本の経済成長率を表す”実質GDP”は〜でした。」なんて見たり、聞いたりしたことありませんか?

『名目GDP』と『実質GDP』とは

名目GDP

[ 物価変動の影響を反映して(含んで)計算したGDP ]

実質GDP

[ 物価変動の影響を反映せず(含まず)計算したGDP ]

これだけだとよくわからないですよね。

例を見ながら、計算をしていきましょう。

計算方法

例えば、コーヒーを

[1年目]

100円で販売して、2,000本売れました。

売上 = 100円 x 2,000本 = 200,000円

[2年目]

コーヒー市場が溢れ、値引きしたため、50円で販売することになったのですが、売れた本数は1年目より多くなりました。

50円で販売して、2,500本売れました。

売上 = 50円 x 2,500本 = 125,000円

この場合の各GDPを考えます。

まずは、1年目。ここでは、全くの初めてなので、

名目GDPも実質GDPも売上の200,000円となります。

次に2年目。ここでは、50円の値下げ、つまりは物価変動があります。

名目GDPは、物価変動を反映する(含む)ため、値下げ分50円を含んで、計算されます。

名目GDP:50円 x 2,500本 = 125,000円

実質GDPは、物価変動を反映しない(含まない)ため、値下げ分50円は無視して計算されます。つまり、販売価格は1年目の100円のままと考えます。

実質GDP:100円 x 2,500本 = 250,000円 

 

となるのです。物価変動金額分(物価変動50円 x 2,500本)だけ2つに差が出ています。

さて、これが何なの?というお話です。そこで出てくるのが『経済成長率』です。

経済成長率とは

ある一定期間の国民経済、つまりは、“消費”の拡大を分析するため一つの指標です。そして、それを確認するために用いられるのがGDPなのです。さらには、景気判断と投資判断の材料として活用されます。

計算方法

経済成長率(%) = (当期GDP − 前期GDP) ÷ 前期GDP x 100

*名目なら名目、実質なら実質で計算。

早速ですが、先例で計算してみましょう。

名目GDP = (125,000円−200,000円) ÷ 200,000円 x 100 = −37.5%(−0.375)

実質GDP = (250,000円−200,000円) ÷ 200,000円 x 100 = 25%(0.25)

先例を全てまとめてみます。

1年目に変化はないので、2年目を注目しながら見てください。ここから読み取れることは、

[ 名目GDP ]

  • 販売した数量は増えている
  • GDPは減っている
  • 経済成長率がマイナスとなっている

[ 実質GDP ]

  • 販売した数量は増えている
  • GDPが増えている
  • 経済成長率がプラスとなっている

名目GDPから読み取れることは、物価が下がると販売数量が増えたとしても会社の利益は減ります。その影響で、お給料の削減とかもあるかもしれません。これが経済成長率のマイナスに繋がっています。

一方、実質GDPから読み取れることは、物価が下がっても販売数量が増えています。1年目と比較した場合にどのくらい多く販売されたのかが経済成長率のプラスに繋がっています。

つまり、

“金額基準”で考えられているのが『名目GDP』

“数量基準”で考えられているのが、『実質GDP』。

と言い換えられます。

では、これを確かめるため、2年目の数量が1年目と同数量であったらどうでしょうか。

名目GDP:50円 x 2,000本 = 100,000円  経済成長率−50%

実質GDP:100円 x 2,000本 = 200,000円  経済成長率0%

*例では物価が下がっていますが、上昇したとしても同様なことが考察できます。

さらに、「どの程度、経済成長をしたのか。」を考える場合、物価変動に左右される名目GDPでは把握しにくく、経済成長率は、左右されることのない実質GDPが用いられます。

しかしながら、私たちの生活に則しているのは、名目GDPですよね。

ニュースや新聞などの「日本の経済成長率を示す”実質GDP”は〜でした。」は、実際の景気が良くなっているとは、これだけでは言えないということです。

名目GDPの経済成長率がプラスだとしても私たちのお給料が上がっていなければ、消費に繋がらないですし、実質GDPで数量が伸びれば必然的に経済成長率はプラスになります。

この『経済が実際どの程度成長したのか』を判断する指標として『GDPデフレーター』という指標があります。

これらGDPは、『インフレ』『デフレ』『円高』『円安』とも密接な関係があります。

『インフレ』『デフレ』参考→デフレ/インフレ/スタグフレーションどっちの意味で覚え方違った

『円高』『円安』→円安円高の意味や違いをわかりやすく覚え、仕組みや基準は何だろう

GDPデフレーターとは

これは、名目(Normal)GDPを実質(Real)GDPへ評価を直すための指標で、物価上昇や下落がどの程度起ったのか、1以上であれば、”物価上昇(インフレーション)”。1以下は、”物価下落(デフレーション)”を示します。

簡単に言えば、”インフレなの?””デフレなの?”を測る指標と覚えても良いです。

GDPデフレーター = 名目GDP ÷ 実質GDP 

先例の2年目でみていきます。

GDPデフレーター = 125,000円(名目GDP) ÷ 250,000円(実質GDP)

= 0.5(物価下落)

このことから、

名目GDP > 実質GDP = 物価上昇(インフレーション)

名目GDP < 実質GDP = 物価下落(デフレーション)

となることがわかります。

まとめ

GDPは、単純にプラスだからとかマイナスだからとかを見るだけではなく、数量や物価(金額)も考慮に含んで見ていき、実際の景気判断の材料として、多角的視点も持つことが必要です。

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