会社の種類の違い。株式、合同(LLC)、合資、合名会社の4類型
投稿日:2018年8月17日 更新日:
会社の種類には、株式、合同、合資、合名会社の4つがあります。株式会社は、一般的なので、何となく理解している方は多いでしょう。この4つは、法律(会社法)によって区分されている、会社法上の会社です。これらの違いには、社員の責任に違いがあるのですが、ここでは、この社員の責任に基づいて概要を説明していきます。
ここでの『社員』とは
通常、私たちが認識しているのは、
『社員』= 『従業員』
しかし、法律上(会社法)は、
『社員』= 『出資者』
を呼びます。
『出資者』というのは、
“資金を会社に提供して、事業で得た利益の分配を受ける人たち”
のことです。ここでの”利益の分配”とは、働いている従業員の給与ではなく、
『出資者に還元される利益』です。
詳しくは → 株式会社の有限責任と無限責任の違い
会社の種類
会社法に定められた会社の種類には、
- 株式会社
- 合同会社(LLC)
- 合資会社
- 合名会社
があります。
これらのうち、合同会社、合資会社、合名会社は、『持分(もちぶん)会社』と呼ばれます。
この『持分』とは、
“出資者の会社に対して持っている地位”
のことです。
詳細は割愛しますが、株式会社では、”株式”というわかりやすい形で“割合”や“大きさ”分かれていて、それが『持分』となります。その他では、一人の社員が一つの持分ではあるものの、大きさが均等ではない点がそれとは異なります。
この4つの会社の種類には、
- 社員の責任
- 業務執行の所在
において、違いがあります。
それぞれの違いについて、概要をみていく前に、以前記事にした、”直接責任”と”無限責任”、”間接責任”と”有限責任””無限責任”について、簡単に振り返ります。
有限責任と無限責任
『有限責任』とは、
“会社の債務に対して、一定限度のみ弁済する責任“
『無限責任』とは、
“会社の債務に対して、無限に弁済する責任“
を示しています。
有限責任での一定限度というのは、法律(会社法)で定められており、5万円を出資したら、これが上限で責任を負うのです。
直接責任と間接責任
『直接責任』とは、
“社員が会社の債務に対して、会社の債権者に直接弁済する責任“
『間接責任』とは、
“社員が会社の債務に対して、会社の債権者に責任を負わないが、社員の出資が間接的に会社債権者に対しての担保となる責任“
のことです。※会社債権者は、”会社”にしか弁済の請求をすることができない。
これを踏まえて、4類型をみていきます。
株式会社
・社員の責任:間接有限責任
・業務執行の所在:所有と経営の制度的分離
合同会社(LLC)
・社員の責任:間接有限責任
・業務執行の所在:所有と経営の未分離
近年よくみられるLLC(合同会社)の会社形態。
『LLC』は、”Limited liability Company(リミテッドライアビリティカンパニー)”の略です。
簡単なメリットとしては、”利益配分を社員同士で決定できる”ことです。しかし、それ故に、利益配分を巡って仲違いするという結果となる場合があるのがデメリットです。初めは良くても。。。
合資会社
・社員の責任:無限責任と有限責任の社員がいる
・業務執行の所在:所有と経営の未分離
合名会社
・社員の責任:無限責任と有限責任の社員がいる
・業務執行の所在:所有と経営の未分離
まとめ
少々、堅苦しい言葉が並びました。
つまり、これらの4つの会社の違いには、
・社員の責任範囲
・業務執行の所在
の2点において、違いがあるということです。ここをまず押さえましょう。
株式会社以外の”業務執行の所在が未分離”というのは、社員は経営者であり、業務執行も担っており、社員間の信頼関係で成り立つ場合が多いためです。つまり、出資者でもあるということです。
〜責任の詳細については、こちらをご覧ください。
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