株式会社の有限責任と無限責任の違いや意味とは何かの基本を捉える
投稿日:2018年8月14日 更新日:
株式会社には有限責任と無限責任がある?なんて言われてもよくわからないですよね。更に、有限社員、無限社員と言われてもとなります。これらは、会社を設立する際の出資に関係してくるわけですが、通常の社員の概念なども含め、少し堅苦しい話にはなりますが、大きな概要がわかるように、わかりやすく説明していきます。
そもそも『株式会社』とは何?
まず、有限責任、無限責任の前に、株式会社の概念に触れておきます。
株式会社は、簡単にいえば、
“営利社団法人”
です。
“営利社団法人”とは、
“金儲け(利益を上げる + 株主に利益を分配する)をするための事業を開始するのに、役所で手続きして法人となった人の集まり※一人でも人の集まり“
です。
ここでの詳細は割愛しますが、まず、何かしらの事業で利益をあげようと考え、実際にそれがスタートすると“企業”と呼ばれます。そして、要件を満たすと法人格を得て“会社”となります。
そもそも『社員』とは何?
通常、私たちが認識しているのは、
『社員』= 『従業員』
しかし、法律上(会社法)は、
『社員』= 『出資者』
を呼びます。
『出資者』というのは、
“資金を会社に提供して、事業で得た利益の分配を受ける人たち”
のことです。ここでの”利益の分配”とは、働いている従業員の給与ではなく、『株主』です。
ここから先の話に出てくる”社員”は、この”株主”のことを指しているので、混乱しないように気をつけてください。
この”社員”の“責任”に「無限責任」と「有限責任」があるのです。さて、いよいよ本題です。
『責任』って何よ?
ところで、ここでの『責任』とは、
“会社の債務について、会社債権者に対して弁済する責任”
のことです。
“会社の債務”とは、簡単にいえば、“借金”のことを指し、
“会社債権者”とは、
“お金を貸している人たち(銀行など)”
“モノやサービスを提供したのに代金支払いをしてもらっていない人たち”
のことです。何かしら会社に対して、支払って欲しいお金がある人たちといえます。
それを弁済、つまりは、“返さなくては(支払わなければ)いけない責任”
を『責任』と呼びます。
『有限責任』『無限責任』
『有限責任』とは、
“会社の債務に対して、一定限度のみ弁済する責任”
『無限責任』とは、
“会社の債務に対して、無限に弁済する責任”
を示しています。
有限責任での一定限度というのは、法律(会社法)で定められており、5万円を出資したら、これが上限で責任を負うのです。
『直接責任』と『間接責任』
これらを考える上で、もう一つ押さえておくべきことがあります。それが、この『直接責任』と『間接責任』です。
『直接責任』とは、
“社員が会社の債務に対して、会社の債権者に直接弁済する責任”
『間接責任』とは、
“社員が会社の債務に対して、会社の債権者に責任を負わないが、社員の出資が間接的に会社債権者に対しての担保となる責任”
のことです。
となると株式会社の社員の責任は、どうなるのでしょうか。
株式会社の社員の責任
株主(社員)の責任は、自分が保有する株の金額(有限責任)です。
しかし、会社設立後は、会社債権者に対して責任を負うのは、”会社”です。※会社債権者は、”会社”にしか弁済の請求をできない。
このとき、株主と会社債権者の関係は、直接接点は無いですが、株主は会社に出資していて、会社が間に入ることによって会社債権者との関係が成り立っていて、間接的ではあるものの関係が存在します。つまり、先の間接責任の関係になります。
株式会社の社員の責任は、
“間接有限責任”※上記黄色部分2つ
となります。詳細を割愛していますが、基本として押さえておくには十分です。
会社の英語表記 → 株式会社の英語表記Co.Ltd.Inc.の違いと意味の種類。
まとめ
押さえるべき基本は、法律による
- 社員
- 責任
- 有限/無限
- 直接/間接
これらの意味と株式会社の社員の責任は?
まずは、ここを押さえておきましょう。
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