有効求人倍率の計算とは何。完全失業率との違いや意味は何なのか。
投稿日:2018年1月3日 更新日:
推移や職種別、都道県別から統計まで厚生労働省から発表するデータ”有効求人倍率”とは。総務省で発表する”完全失業率”とは。何となくはわかっているけど。。。有効求人倍率とは、経済指標の一つで、ハローワーク(公共職業安定所)のデータを基に、簡単に言えば、仕事を見つけやすい状況なのか、見つけにくいのかがわかります。有効求人倍率には求める計算式があるのですが、何を基準とするかを理解していないとわかりません。そんな方のために、わかりやすく簡単に、基本的意味から求め方、どんな対象、数値を用いて計算されるのか。そして、上昇したら何を示しているのか。説明していきます。
有効求人倍率とは
有効求職者数に対する有効求人数の比率のこと。有効求人 (求職) とは,新規求人 (求職) と,前月から繰り越された求人 (求職) とを合計したものをいう。有効求人倍率は,労働市場の需給状況を示す代表的な指標である。また,新規求職者数に対する新規求人数の比率である新規求人倍率は,労働市場の先行き的な働きを示すものとしてよく用いられる。なお,有効求人倍率は公共職業安定所を通じた求人・求職に限られること,また,新規学卒者は除かれている点に留意する必要がある。
出典:コトバンク
有効求職者数
有効求職者数とは、
全国の職業安定所(ハローワーク)に求職登録している合計人数です。
そして、
- 新卒者
- 求人、就職情報誌や転職サイトのみで活動している人
これらの人たちは含まれず、あくまで、ハローワークに登録していて、就職が決まっていない人が対象となります。
有効求人数
有効求人数とは、
全国の職業安定所(ハローワーク)の企業からの求人件数合計です。
つまり有効求人倍率とは、先述した”求職者(有効求職者)”と”求人件数(有効求人数)”の割合で、
求職者1人あたりに何件の求人があるか。
を示しています。
有効求人倍率の計算方法
有効求人倍率とは、職業安定所(ハローワーク)に登録されている有効求職者数に対する有効求人数の割合です。
有効求人倍率(%) = 有効求職者数 ÷ 有効求人数 x 100
もし、計算式で出た答えが、
“1”を上回った場合は、
求職者1人に対して、1件以上の求人件数がある事を示すと同時に、企業が人を探している事を示します。
“1”を下回った場合は、
求職者1人に対して、1件以下の求人件数しかない事を示すと同時に、仕事を探している人が多い事を示します。
これは、あくまで職業安定所(ハローワーク)を基礎とした指標であることには注意が必要です。
詳細は、厚生労働省統計局のHP(ホームページ)で、都道府県別などが閲覧できます。
【厚生労働省有効求人倍率】
http://www.stat.go.jp/library/faq/faq16/faq16b01.htm
完全失業率とは
完全失業者数を労働力人口で割ったもの。完全失業者とは,就業者以外で仕事がなくて調査週間 (12月を除き月末週) 中に少しも仕事をしなかった者のうち,就業が可能でこれを希望し,かつ仕事を探していた者および仕事があればすぐ就ける状態で,過去に行なった求職活動の結果を待っている者を指す。
出典:コトバンク
完全失業者数
働こうとする能力、意思もあり、かつ、仕事を探しているが就職が決定していない人数を指します。
- 仕事に就いていない人
- 仕事があれば、直ぐに就くことができる人
- 仕事を探している人
この3つの要件を満たしている人の数です。
労働力人口
15歳以上の働く意思を持っている就業者および完全失業者の合計。
労働力人口 = 就業者数 + 失業者数
就業者とは、主に仕事をしている会社員のほか、主婦や学生でアルバイト、パートをしている人も含んでいます。
労働力人口に対して、アルバイトなど仕事をしていない学生、主婦などは非労働力人口と呼びます。
この労働力人口は、毎月、全国無作為選んだ世帯で行う総務省の労働力調査によって完全失業率と同時に示されます。
完全失業率の計算方法
労働力人口数のうち完全失業者が占める割合。
完全失業率(%) = 完全失業者数 ÷ 労働力人口 x 100
この数値が高いほど仕事を探している人が多い事を示します。
詳細は、総務省のHP(ホームページ)で閲覧できます。
【総務省完全失業率】
http://www.stat.go.jp/data/roudou/
まとめ
有効求人倍率と完全失業率は、雇用動向を示す指標としてあります。
景気が悪化すると”有効求人倍率”は低下し、 “完全失業率”は上昇することになります。景気が上昇するとそれぞれの低下と上昇が逆になります。このような関係性を互いに持っています。
ニュース、新聞などでしか耳に目にしないかもしれませんが、どのような事を言って、示しているのかを理解しておくと少し見え方が違います。
そして、大切なのは、これらが”職業安定所(ハローワーク)”を基本とした指標であることに注意しなくてはいけません。
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