PB(プライベートブランド)とは何か。その仕組みとNBとの違い
投稿日:2018年3月4日 更新日:
“プライベートブランド(Private Brand)”一度は耳にしたことがあるでのはないでしょうか。”PB(ピービー)”と略されるものです。広く知られている一つに、イオンの”TOP VALUE(トップバリュー)”の商品群があります。そして、似た用語には、”SPA(エスピーエー)”があり、”製造小売業”と呼ばれます。さらには、”ストアブランド”の”SB(Store Brand/エスビー)”がある一方、”NB(National Brand)”は、普段あまり意識しませんが、”ナショナルブランド”と呼ばれるもので、これらの違いや内容の意味を整理して、特にここでの主題”PB”とは何なのか、どんな仕組みになのかをみていきます。
『NB(National Brand/ナショナルブランド)』とは
皆さんが、友人などの商品や家電製品について
「それどこのブランド?」と聞き
「○○。」と友人が答えます。
この○○に入る”名前”がNBと言われるものです。
コカコーラやキリン、HITACHIにPanasonic、Iphoneだって、これらが全てナショナルブランド(NB)です。
つまり、『NB(ナショナルブランド)』とは、
製品や商品に製造メーカーがつけた”ブランド名”
になります。
『SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)』とは
カタカナ表記すると、
“スペシャリティー・ストア・リテイラー・オブ・プライベートレーベル・アパレル”
日本語に直訳してしまうと、
“自社ブランドのアパレル専門小売店”
です。
元々は、
“商品の企画、開発、調達、生産、流通、販売、広報、プロモーション、店舗運営までの全ての工程を行うアパレルのビジネスモデル”
のことを指していました。最たる例がユニクロです。
しかし近年では、アパレルに限ったものでなくても、
“該当する企業が行うビジネスモデル”
を指す用語として、”SPA”と使用されます。
“SPA”のメリットは、
- 現場レベルでの売れ筋、お客様のニーズ情報が企画段階から反映できる
- 在庫ロスや無駄のない生産ができる
『PB(Private Brad/プライベートブランド)』とは
NB(ナショナルブランド)の対義語とされます。
『PB(Private Brand)』とは、
“小売店や流通業者や卸業者がメーカーへ委託して、企画、開発、製造、販売する自社ブランド”
のことです。
イオンのトップバリューが理解しやすい例になります。
“PB”のメリットは、
- 生産コストの軽減:自社で工場を持たず、外部に委託して製造してすべて買取するので、工場側にも在庫赤字が回避でき、両者にとってメリットがある。
- プロモーション費用の軽減:NBでは、CMなど仕入先に仕入れてもらうためのPRを行わなくてはなりませんが、自社であれば、店頭で自由にできます。
- 流通コストの軽減:店頭まで商品を届ける手段として、大手であれば既に物流網が確立されているため、物流を扱う各外部会社に頼らなくて良い。
生産については、単独でなく、複数企業での共同開発すれば、さらにコストは軽減されます。そして、メーカーの製造工場であっても、全て作った分は買い取ってくれるため、在庫ロスもありません。
そして、何より上記のようなコストは、全て”商品販売価格”に反映され、私たち消費者の購入価格に直結するため、PB商品であれば、消費者はより安く購入でき、小売店はより安くお客様に商品を提供できることになるのです。
『SB(Store Brand/ストアブランド)』とは
PBと似ており、実際、PB商品がSBである事も多いです。しかし、消費者としてはあまり関係がなく、全て”PB”と考えても問題ない概念です。
『SB(Store Brand)』とは、
“小売店や流通業者や卸業者が、品質や価格を改善して、販売する自社ブランド”
PBとの区別がわかりにくいですね。
簡単に言えば、
『PB』は、お客様の需要(ニーズ)がある商品を開発から手がける。
『SB』は、お客様の求める(ウォンツ)商品を改善したもの。(開発はない)
つまり、SBは、既に販売している商品を改善するといえます。広義では、開発を伴いますが、敢えて区分けするとこのようになります。
また、ここで、”ニーズ”と”ウォンツ”が出てきましたが、これについては、下記を参考にしてください。
『ニーズとウォンツ』→ マーケティングの基本入門
まとめ
基本的には、NBよりもPBが安い価格になるのが通常です。それは、説明してきたコストが軽減できる点とそれによる商品販売価格を消費者に提供できる仕組みができているからです。
もし、メーカー(NB)が製造すれば、注文がなければ在庫が余る、工場の保管費用がかかる。しかし、PBでは、大量発注に全て買い取ってくれるというメリットまでついてくるため当然、単価を安くできるのです。たとえそれが、普段メーカー品を製造している工場だとしてもです。
そして、家電量販店に多く見られますが、実は、PBとして扱われていても中身はメーカー品なんてことがあります。これは、型番号を見るとよくわかりますが、最後にその量販店の略英字が入っているものもあります。外見と中身は大手メーカー(NB)、店頭ではPB。これらも同じ製品でもPBが安く売られています。
こんなことを理解していくとより『PB(プライベートブランド)』が見えてきます。
スポンサーリンク