リベートの意味とは何か。バックマージンやキックバック意味は同じ
投稿日:2018年3月12日 更新日:
『リベート』『バックマージン』『キックバック』『バリューディスカウント』『キャッシュバック』『インセンティブ』これらの意味とは何なのか。この言葉を見るとあまり良いイメージを持たない方も多いのではないでしょうか。リベート(英語:Rebate)は、”値引き””割引”とは異なり、”割戻(わりもどし)”というものです。また、この『リベート』は、日本独特の商慣習として成り立っています。そして、『リベート率』というのもあります。値引きや割引、割戻の違いとは何か、これらの類似する意味は、同義なのか。そんな初歩から一つ一つわかりやすく整理してみましょう。
『リベート』とは
“売上割戻”や”仕入割戻”の意味。つまり、
リベート = 割戻(わりもどし)です。『バリューディスカウント』と呼んだりもします。
『割戻』とは、ある商品やサービスに対して、売り手側や買い手側に、
『一定以上の仕入/売上実績があった場合に、予め決めていた金額や率(%)で仕入/売上代金の返金や減額をすること。』
このリベートを意味する”割戻”は”会計用語”です。そして、リベートには、”報奨金””手数料”や”賄賂(わいろ)”の意味も含まれています。良くニュースで聞くのは、悪い意味での後者になります。
例えば、メーカーが小売店に「1個1,000円の商品を100個仕入れてくれたら10%をリベート提供します。」と提案したとします。
この時、結果として200個を小売店が仕入れた場合、
200個 x 1,000円 x 0.1(10%) = 20,000円
となります。
この”20,000円”が『リベート金額』となり、”10%”という予め決めている率を『リベート率』といいます。
先例をリベート金額で提案する場合、
メーカー:「1個1,000円の商品を200,000円分仕入れてくれたら、20,000円をリベート提供します。」
小売店:「ということは10%ですね。」
のようになります。
これが、1個に対してであったり、全体量または売上高/売上数量に対してであったりしますが、考え方は一緒です。売上数量に対しての場合は、残った在庫に対しては、適応しないなどとなりますので、それらは、提案、交渉による決定に従う必要があります。
また、1個に対してだった場合、
リベート金額 = 1,000円 x 0.1 = 100円
結果としては同じですね。複数商品がある場合でも各々の商品に対しての金額を計算して、加算すれば良い話になります。
『リベート率』を計算式にすると、
リベート率(%) = リベート金額 ÷ 全体の仕入高/売上高 x 100
会計上の細かい話ですが、この20,000円は、メーカー側(売り手)からだと、”売上割戻”。小売店側(買い手)からだと”仕入割戻”です。
ところで、この割戻は、”割引”や”値引き”とは違うのでしょうか。
『割引』と『値引き』とは
先に言ってしまえば、“会計上”は意味が明確に違います。会話上であれば、さほど意識することは無いかもしれませんし、具体的に適切に使われてない場合が多々あります。
ここからの説明は、”会計上では”として捉えてください。
『割引』とは
支払期限前に商品やサービスに対して代金の減額をすること。
『値引き』とは
商品やサービスに不良品、破損、不足があった場合に代金を減額すること。
アパレルで1,000円の10%OFFまたは100円値引きとして販売していた場合、レジで10%OFFした900円を支払います。後で100円が戻ってくるわけではないですよね。まさにこれが”割引””値引き”です。
割戻は、確定した代金を受け取ったまたは支払った”後”ですが、割引、値引きは、”前”であることが明確に違います。
しかし、普段の生活では、アパレルをイメージして、”○%割引”、”X円引き”のように、割引は”%”、値引きは”円”と考えていて問題ないです。
『バックマージン(Backmargin)』『キックバック(Kickback)』とは
バックマージン(backmargin)もキックバック(kickback)もリベートと同義の認識で問題ないです。英語の意味でも殆ど同義といえます。何となくですが、悪いイメージがあるため、昨今では”リベート”のみで足りている現状です。
リベート ≒ バックマージン ≒ キックバック
* ≒は、”殆ど同じ” や “約” の意。
『キャッシュバック(Cash-back)』『インセンティブ(Incentive)』とは
『キャッシュバック』とは、英語表記で”Cash-back”となりますが、”和製英語”です。
家電量販店等で見かける”〜ポイントキャッシュバック”のキャッシュバックです。馴染みがありますよね。
これは、代金を支払った後に何かしら戻してくれる。つまりは“割戻”と同様の概念になります。
つまり、リベート= キャッシュバックです。企業間同士ではリベートと呼ぶ頻度が高いですが、消費者と小売店の場合にはこの言葉が多いですよね。印象の問題もあるかと思います。キャッシュバック。リベートと謳われるより良くないですか?
『インセンティブ(Incentive)』とは、簡単にいえば、“購入特典”や”おまけ”です。堅い言葉で示すと
“目標を達成するための刺激、誘因”
売り手側から見ると、消費者が購入してくれるためにする”施策”ともいえます。
キャッシュバックもインセンティブも”報酬金””奨励金”などの意味が大枠ではあります。商品を販売するごとに販売店がメーカーから受け取れる金銭となった場合には、この意味です。
それ以外でも営業ノルマを超えた時、実演販売士が数量を売るごとにもらえる金銭などもインセンティブと呼びます。
まとめ
『リベート』を主として、類似用語をみてきました。
全て、報奨金や手数料の意味を大義では秘めてはいます。悪い意味でのリベートもありますが、それらは、会計上”独占禁止法”の違反として取り締まりを受けることがあります。規定に関しては、公正取引委員会(http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/haijyogata.html)に明記してあります。
そして、税務上は、”割戻”と”値引”で処理する方が”割引”で処理する方が有利とされます。
概要だけでも覚えておきましょう。
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