マルチ商法は詐欺?ねずみ講、MLM、ネットワークビジネスとは何

投稿日:2022年2月2日 更新日:

世の中多くの商品が溢れ、様々な販売方法がとられています。その中でも詐欺だなんだと、よく”悪”に取られてしまうのが、ネットワークビジネス。もしかしたら、マルチ商法、ねずみ講。この言葉の方が馴染みがあるなんてこともあるかもしれません。これらは大枠MLM(マルチ・レベル・マーケティング)という手法なのですが、これらの違いを理解している方は少なく、ネットワークビジネス、マルチ商法、ねずみ講、全てが詐欺であるかの認識をしている方が多数ではないでしょうか。確かに疑問のつくものが拡まっているのもあります。ここではそれぞれの手法の形態、法律なども捉え簡単にそれぞれの違いを紹介していきます。

連鎖販売取引

まず、大前提として知っておかなければならないがこれです。

連鎖販売取引とは、

個人を販売員として勧誘し、更にその個人に次の販売員の勧誘をさせるというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の取引のこと。

特定商取引法の中で、連鎖販売取引は下記のように定義されています。

  1. 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
  2. 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
  3. 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
  4. 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの

としています。

具体的には、「この会に入会すると売値の割引で商品を買えるので、他人を誘ってその人に売れば儲かります」とか「他の人を勧誘して入会させると1万円の 紹介料がもらえます」などと言って人々を勧誘し(このような利益を「特定利益」といいます)、取引を行うための条件として、1円以上の負担をさせる(この 負担を「特定負担」といいます。)場合であれば「連鎖販売取引」に該当します。
実態はもっと複雑で多様な契約形態をとっているものも多くありますが、入会金、保証金、サンプル商品、商品などの名目を問わず、取引を行うために何らかの金銭負担があるものはすべて

「連鎖販売取引」に該当します。

(引用:特定商取引法ガイド-消費者庁)

役務とは、サービス(物体物質として触れることのできる商品ではないもの)のことです。

ここで大切なのは3つ
・特定利益があり
・特定負担を負い
・報酬を得る
これが連鎖販売取引の基本です。

そして、

「連鎖販売取引」の存在自体は違法ではありません。

 

MLM(マルチ・レベル・マーケティング)

マルチ商法、ねずみ講、ネットワークビジネス。
これらを知る上で次に知っておきたいのが、こちら。

MLM(通称エム・エル・エム) 

これはMulti-Level-Marketing(マルチ・レベル・マーケティング)という販売手法の略です。

はじめに言っておきますが、これはきちんとした販売手法です。違法でも詐欺でもありません
販売手法の一つとしてきちんと存在しています。

このMLMとは「多階層販売方法」と訳され、トーナメント表のように自分の下には2人、その2人が個々にさらに2人などのような組織を作り、商品を流通させて報酬を得る仕組みです。
簡単に言えば、”会員”を増やしていき、商品を売っていくことでお金、つまりは報酬を紹介者が得ていく商売です。この報酬を得るのは組織上の人たちだけでなく、もちろん本人も得ることができます。

もし、報酬を組織の上の人たちだけが得るような仕組みであれば、それは少し疑った方が良いかもしれません。

 

マルチ商法

「それってマルチでしょ!大丈夫?」なんていうように、

“マルチ商法 = 悪もしくは詐欺”

のようなネガティブなイメージで
多くの方は認識しているでしょう。

実は

“マルチ商法 = MLM”

なのです。

マルチ商法は、商品やサービスを契約して販売組織に加入して、自分が友人等を勧誘して新たに加入させると、紹介料やマージン等の利益を得ることができ、これが連鎖的に拡大していくしくみです。

化粧品や健康食品で一般企業がこのような販売形態をとっていることも多分にあります。

これも連鎖連鎖販売取引に属し、ねずみ講のように法律で禁止されてはいません。

事あるごとに出てくる”ねずみ講”と一緒と思われる傾向が強いのですが、

なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか。

実際には大きな違いがあるのです。

ねずみ講

ねずみ講と呼ばれるようにになったのは、

MLMやマルチ商法と同じように下層にどんどんトーナメント表のように

拡がっていくということが、

数学のねずみ算のように増幅していく例えから由来しています。

“ねずみ講”は造語で、

法律的には無限連鎖講のことを指しています。

無限連鎖講とは、

金品(財産権を表彰する証券又は証書を含む。以下この条において同じ。)を出えんする加入者が無限に増加するものであるとして、先に加入した者が先順位者、以下これに連鎖して段階的に二以上の倍率をもつて増加する後続の加入者がそれぞれの段階に応じた後順位者となり、順次、先順位者が後順位者の出えんする金品から自己の出えんした金品の価額又は数量を上回る価額又は数量の金品を受領することを内容とする金品の配当組織をいう。

(引用:e-GOV法令検索/無限連鎖講の防止に関する法律)

簡単にいえば、先にいた紹介者が自分が支払った金額よりも多く報酬を得たりする組織。

ということです。

そして、MLMやマルチ商法との違いは、

特定の商品や商材をもたないこと

です。

例えば、あたかも商品ありきに見せかけ、実情は月額費用を徴収し、人を増やして先にいた人たちだけが儲かっていく仕組み。

つまりは、人から徴収する月額費用だけが報酬であり、商品を販売することで成り立っていないようなものです。

この無限連鎖講は特定商取引法で禁止されています。

具体的法律は割愛しますが、懲役や罰金が課せられるのです。

したがって、いわゆる “ねずみ講”は、違法 となります。

そうした悪質な業者だけがニュースとなってしまい、結局、MLM全てがネガティブイメージを持たれて、詐欺だ。なんだ。となってしまうと同時に、

ネトッワークビジネス、マルチ商法 = ねずみ講

というようなイメージだけが先行してしまっているのです。

 

ネットワークビジネス

ネットワークビジネスとは、

ネットワークビジネス = MLM

のことを指しています。

要するに名前は違えど、

ネットワークビジネス = マルチレベルマーケティング(MLM)= マルチ商法

と同じ販売形態のことを指しています。

日本ではマルチ商法と同じ連鎖販売取引として分類されていて、違法ではありません

まとめ

細かく説明してしまうとより解らなくなるので、簡単にまとめましょう。

MLMとはマルチレベルマーケティグのことで、

連鎖販売取引 = MLM = ネットワークビジネス = マルチ商法

これは認められた販売方法。

ねずみ講座

これは違法です

情報過多で個々の見極めも大切にはなりますが、

ぜひ理解して、まずは誠実なMLMかどうかを考えてから踏み込むのであれば始めてくださいね。

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